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キセイジジツ
第6章 誤解

三人で食事して帰宅するつもりだったが
悠真が「晩ご飯はばあちゃんちで食べる」と言うので祖母宅を目指している。

「もう着くよ」

祖母宅に到着して駐車スペースの端に車を停めて悠里と悠真に顔を向ける。

「シミュレーションは完璧?」

真人に外出の事で何か聞かれた時の為に二人でブツブツと言葉を交わしながらシミュレーションをしていたのだ。

「たぶん…」
「大丈夫だろ」

悠里は不安そうに、悠真は笑って言う。

「頑張れよ。真人に感づかれると面倒だから俺はここまでな」

「うん」
「分かった」

二人はうなずいて車から降りる。

それ以上は何も言わずに手を振って車を発進させた。



ーーーーーーー



健が帰って行くのを悠里と見送ってから祖母宅の玄関を開ける。

「お帰り」

目の前には仁王立ちをした真人の姿。

「真人兄ちゃん…」
「ただいま」

「晩ご飯はどうした?」

二言目が食事の事なので怒ってはないようだ。

「まだ食べてないよ」
「ばあちゃんや真人兄と一緒に食べようと思って。…もう食べちゃった?」

「さっきな。とりあえず手洗いうがいをしてこい」

それだけ言うと居間へ入って行った。


悠里と洗面所へ向かう。

「悠真。お兄ちゃん何か変じゃなかった?」
「あぁ、俺もそう思った」

疑問を感じながらも居間へ入ると真人はテレビの前のソファーに座って背を向けていた。

「あぁ、お帰り。お腹空いたろ」

俺達に気づいた祖母が座椅子から立ち上がろうとする。

「おばあちゃん。自分達でやるから座ってて」

悠里が祖母を止めて台所へ向かうのを俺も追う。

「…すげぇうまそう」

簡単なお鍋が晩ご飯だったらしい。

口に入れると母の作る鍋と同じ味がした。

「この味…」

悠里もそれに気づいたようだ。

「うまいね」
「うん、すごく」

二人で視線を合わせて音もなく笑う。


足音がして悠里が動きを止める。

「お前達、食べ終わったら俺の部屋にこい」

「あ、うん」
「急いで行く」

そう言うと真人は部屋に向かった。

感情を押し隠したような表情をしていた。


急に緊張を感じるが真人と対面すると俺はいつもこんな感じだ。
やましい事がなくても緊張してしまう事もある。

「シミュレーション通り話せば大丈夫よ」

悠里が俺の緊張を和ませるように優しく笑った。
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