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キセイジジツ
第7章 告白

「な、何?」

私はビクビクしながら真人に尋ねた。

「いや……まさか健と'そんな事'になってねぇよなと思ったんだ……って何だその顔はっ?!」

真人は目玉が飛び出しそうなほど目を見開いている。


ーーー顔に出ちゃった?!

「えっ私どんな顔してる?!」

焦って聞き返すが真人にはそんなの聞こえていない。

「ぁんの野郎……」

真人が腹の底から声を絞り出す。


「ちょっ待ってお兄ちゃん!落ち着いて!」
「あ"?」

こんな様子の真人に手を出されたら健は怪我どころではない。

健の身の危険を感じながら必死に真人をなだめようとする。

「健兄ちゃんは悪くないのっ…私から誘ったの!健兄ちゃんに触って欲しくて……」

嘘っぽいがかなり真実に近いように言葉にした。

真人は私を凝視して口を開いている。

「健兄ちゃんの事好きなの……だから健兄ちゃんを怒らないで…お願いっ」

真人の手を握り、涙目で見上げる。

少しずるいやり方だが、こうすると真人は大抵の事を許してくれると私は知っているから。


「……好きなのは分かった。でも悠里が好きなのは'優しい従兄弟として見てきた健'なんじゃねぇか?」

「えっ……?」

ーーー従兄弟としてのたけちゃん?

「その辺は俺が話すべきじゃねぇし、気になるなら健本人に聞け。……でもな、聞くなら覚悟して聞けよ」

「…いまいち意味が分かんない……」

ーーーたけちゃんは従兄弟以外の何者でもないし
従兄弟だけど好きって事が変なの?


「それだけ悠里には健の表側しか見えてねぇって事」

「表側……?」

「誰にでも裏があるからな。俺にだってある。だからこそ表と裏どちらも知る必要があるんだ。それを知っても健の事を好きだと言えたら俺は認めてやる」

真人はそこで口を閉じた。

そんな真人を見つめながら私は記憶を辿る。

ーーー確かに私たけちゃんのほんの一部しか知らない…従兄弟として近くにいたつもりだったけど、それだって夏休みとか大型連休がある時だけ……
たけちゃんがどんな学生時代を過ごして、どんな友達がいて、どんな女性と付き合ってきたのかとか、全然知らない。
たけちゃんの生きてきた道の隣に私はいなかった。


何とも言えない寂しさや不安が込み上げてきて私はうつむいてしまった。
知りたいけど、知りたくないような…矛盾した気持ち。
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