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キセイジジツ
第7章 告白
「何となく俺が言いたい事分かったろ?」
「うん……」
私がうなずくと真人が頭をポンポンと叩く。
「悠里が健を知りたいなら聞いたらいい。それから考える事だって出来るしな。……逆に健が話さない場合もあるけどその時はその時だ」
「えー……」
私が困惑した目を向けると真人はため息を吐いた。
「俺を責めるなよ。あくまでも'場合'の話をしてんだから。……それよりも大事な話がある」
「何?」
「さっきも話した通り、夢の男の子は実在している」
「あぁ、それかぁ…」
「俺はそいつと知り合いではないけど、名前も大体の居場所も知ってる」
「え?さっき顔は知らないって…」
「確かに顔は知らない。でも名前は知ってる」
真人の回りくどい言い方に私はじれったさを感じる。
「それどういう事?よく分かんないってば!てか、名前教えてよ!」
「それは教えられない」
「何で!?」
「身近にいるのは確かだ……こっちのな。あとは悠里が自分で気付かないと意味がない」
「こっちで身近なの?!ますます分かんないよ……」
頭を抱えながら必死に夢を思い出そうとする。
ーーー私は泣いてて…男の子に慰められたのか笑い出して…結婚するとか話になって指切りまでして…
確か頭撫でられて頬も触られてて……顔は見えないけど男の子のーーに何かあったような……
「あーーダメ!肝心な事は分かんないっ!」
「ははっ…そりゃそうだよな。でも何かの拍子に思い出すかもしんねーだろ?」
「何か、ヒントとかないの?」
「ヒントねぇ……あっ!…元兄に聞いてみろよ」
「元兄ちゃんに?」
私は訝しげな目で真人を見つめる。
「何だよ……元兄なら何か情報くれるかもな」
「んー…」
「男の子の顔見てるの元兄だけだし」
「あ!……そうだったね」
真人は一瞬だけ口角を上げたあとベットから立ち上がった。
「じゃ俺は行くとこがあるから」
「ちょ…どこ行くの?」
「内緒~」
真人はニヤリとしながら部屋を出て行った。
部屋に残されて真人の言葉を思い出す。
ーーー真人兄ちゃん'俺は知り合いではない'って言ってたよね……って事はこっちの誰かの知り合い?
まさかの元兄ちゃんの友達?
うーん…やっぱ聞いてみるしかないか…
何があっても後悔はしないように……