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キセイジジツ
第1章 帰省

勝手に切れた画面を見て、今頃携帯片手に頬を赤く染めているであろう姉の姿を思い浮かべる。
いや…あの姉が頬を赤く染めるだろうか?と思ったのは内緒だ。そこは信じてあげよう。

「さて、もう一度」
上から二番目の番号に発信ボタンを押すと3コールで繋がる。

「…どんな?」
「バレてたけど笑ってた」
「鼻で?」
「そう。フフッて」
「やっぱり」
「で、冗談言ってきた」
「めずらしっ」
「最後はありがとうって言われた」
「…まゆちゃんらしくない」
「だよね」
「嬉しかったんでしょ」
「そうだと良いけど」

真悠子から思いっきり可愛がられて育った私達。
普通の姉とは違ったと思うけど…
真っ直ぐな愛情をたくさん貰った。

「今度まゆちゃんに会いに行こ」
「俺もそう言おうと思った」
同じタイミングで笑う。


「ゆーり」
「なに?」
悠真の声色が重くなった気がした。

「いつ会いに行くの?」
「んー今から行こうかな」
「俺行くまで待てない?」
「うん。待てない」
心配してくれているんだと痛いほど分かる。

「焦るなよ」
「ありがと」

「じゃあね」
「うん。またね」
悠真がいてくれるから大丈夫。



携帯を握りしめて心の中で気合いを入れた。

部屋を出て居間へ戻ると元兄ちゃんと美咲さんがアイスを食べながらトランプをしていた。
仲間に入れてもらいながら周囲を見渡す。

「おばあちゃんは?」
「向かいのおばあちゃんとこ」
暇を見つけてはお互いの家でお茶をしているらしい。

トランプを配りながら元兄ちゃんが私をチラッと見る。

「悠里、俺ら今日実家やけどお前も来る?」
何となくニヤついてる気がした。
「バーベキューするってよ~」
なるほど。美咲さんの目が輝いてるわけだ。

「うん!行く行く!」
思わぬチャンスが舞い降りた…神か!

「じゃ、ばあちゃんが戻って来たら行くから」
手持ちカードを見ながら眉をひそめている。
何だか勝てるような気がする!

ふと美咲さんを見ると分かりやすくニヤついていた。
何だか負けそうな気がする…

「絶対、勝つ!」
「私だって!」

ーーー大人気ないなぁ。

自分の手持ちカードを見つめる。
これ以上にない良いカード!

「私も負けないもん!」



それから色んなカードゲームをして時間を潰した。

疲れてきた頃、玄関が開く音がした。



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