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キセイジジツ
第1章 帰省

居間を出て玄関へ行くと祖母が帰って来ていて隣には私の知らないおばあちゃんがいた。
きっと向かいのおばあちゃんだろう。
そっと近付いて声をかける。

「こんにちは」

こちらを向いて私と目が合うとおばあちゃんは柔らかく笑った。

「こんにちは。向かいの森山です」
「いっしょに晩ご飯食べようかと思ってね」
祖母が森山さんを居間へ招き入れる。

森山さんに気付いた元兄ちゃんが私を見て首を傾げる。

「おばあちゃん、森山さんといっしょに晩ご飯食べる為にお誘いしたって」
元兄ちゃんがなるほど、と口だけ動かす。

「ばあちゃん、悠里は秦家で晩ご飯食べさせていい?」

祖母は元兄ちゃんと私を交互に見て頷く。

「バーベキューだろ、行っておいで」


森山さんの方を見ながら手を差し出す。

「私はひろちゃんとゆっくりしてるから」
「そうねぇ。ゆっくりしましょ、さっちゃん」

祖母に返事をしながら手を握る。


「え?」
私があまりにもポカンとしていたのだろう。

'ひろちゃん'と呼ばれた森山さんがニコニコして私の手を握ってきた。

「よく見るとあなた、昔のさっちゃんにそっくりだわ。美人で瞳がとてもきれい」

「えっ…あの…」
思わず褒められて返し方が分からない。

「さっちゃんはこの辺りで有名な美少女だったのよ。それはもうモテモテでね」

「ひろちゃんっ!言い過ぎよ。ひろちゃんこそ可愛くていろんな男性から誘われてたじゃない」

祖母が慌てる素振りを見せるのは初めてで、何だか可愛い。


森山さんがもう一度私を見つめる。

「女の子は美人なだけでは駄目よ。とにかく、愛嬌が大事ね。あと積極的に動く事、我慢しすぎは良くないわ」

それだけ言うと祖母の手を引き、台所へ消えて行った。


ーーーパ、パワフルだ。で、でも…私もあんな風に…年齢を重ねていきたいな。


隣に目をやると元兄ちゃんと美咲さんが祖母達の勢いにのまれてポカンとしていた。

「二人共、大丈夫?」

「お、おう」
「大丈夫だよ~」

見てはいけなかったものを見てしまったかのように焦る二人。
誰にでもあった事なんだから焦らなくていいのに。


「もう秦家に行く?」

「そーだな、そろそろ行くか」

準備を済ませて祖母宅を出発した。
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