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キセイジジツ
第7章 告白

秦家を出て門を出ようとしたところで私の携帯が震えた。

画面を見るとーー悠真からで私はすぐに通話ボタンを押して応じる。

「もしもし?」
「あ、悠里今どこにいる?」

「秦家の門のとこだけど…」

私がそう伝えると悠真は「まじで!」と大声を上げた。

「門ってことは外だよね?うわっちょうどいいや!じゃもう着くからそこで待ってて!」

一方的にガチャッと電話を切られて私は悠真のテンションに違和感を感じた。

ーーーどうしたんだろ?


手持ちぶさたを感じながらしばらく待っていると、一台の車が近くに停まる。

何となくそちらに目を向けると黒い車から降りてきたのは悠真だった。

ーーー悠真?


「悠里ー!ちょっと来てー」

悠真が手招きしながら呼ぶので車の近くまで足を進めると、運転席から男性が降りてきた。

その男性はーー知った顔。


ーーーあっ…たけちゃんの友達の…

先日と服装や雰囲気は違うものの、すぐに健の友達だと気づいた。


漆黒の長髪に、切れ長の目の下には澄んだ瞳。

フサフサのまつ毛はとても長く、どこか中性的な人。


一度目にすれば女性は目を奪われるほどに長田は容姿が整っている。


長田はその長髪を後ろで一つに縛り、これまた長い前髪は片方だけを耳にかけていた。

ーーー愛想悪いなと思ったけど…
改めて見るとキレイな人…
でも、何で袴着てるんだろ?


「こんにちは…」

「あっ…こんにちは」

長田の遠慮がちな挨拶に返事をすると、悠真が間に入ってきた。


「悠里、長田さん知ってるよね」
「うん。この前イオ●で会って…」

健といっしょにいる時にコーヒー屋で会った事を思い出しながら返事をすると、悠真が眉を寄せて私の顔を覗く。

「それなら話は早いね。実は長田さんが困っててさ…悠里にお願いしたい事があるんだって。ね、長田さんっ!」

悠真が長田へ顔を向けるのにつられて視線を移すと、確かに眉を寄せて困り顔。

「あ、の…悠里ちゃんだよね。長田恭介です。実は俺、この近くで書道を教えてて…」
「書道!?」

だから袴着てるんだ!と疑問が解けた私は目を見開いて長田を見つめる。

ーーーいいなぁ、袴。…私も着たいなぁ。
上下黒とか素敵すぎっ!


急に羨望の眼差しで見つめられた長田は少したじろぎながらも、悠里から視線を逸らせずにいた。
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