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キセイジジツ
第8章 正夢

せっかくレインボープールまで来たんだからと、あれからもプールを満喫した。

流れるプールで浮き輪に掴まってプカプカ浮かんでみたり、長さのないウォータースライダーを何度も滑ってみたり、体を動かしているとそちらに意識が集中出来るのはもちろん、自然と心から笑えた。



そして私の夕方からの予定の為に時間に余裕を持って祖母宅に送ってもらう。

「悠里。今からって恭介の手伝いすんだろ?」

車から降りようとした時、健が口を開いた。

口調は普段通りだけど表情が固い。

「あっうん。知ってたんだね」
「昨日恭介から連絡きて聞いた。…悠真もいっしょなんだよな?」
「うん」

健が眉を下げてため息を吐く。

「恭介は…まじ才能あるからなぁ…」
「そうなの?」
「あいつ、実はすげーやつだから」
「へぇ…」

私が薄い反応を見せると健はふっと笑った。

「恭介の技を見て盗んでおいで」
「えっ盗んでいーの?!」
「ははっ…盗めるならな~」

そう言って楽しそうに笑う。

「じゃ俺はもう行くわ。頑張ってね」
「ありがとう。気をつけてね」

手を振って健の車を見送った。



祖母宅に入ると悠真の姿がなかった。

「おばあちゃん、悠真は?」
「さぁねぇ。悠里ちゃんが出かけたあとに悠真ちゃんも出かけてまだ帰って来てないよ」
「そっかぁ…」

ーーーどこ行ったんだろ?

長田が迎えに来る時間まであと30分ほど。

時計を見つめながら悠真に電話を発信する。


「もしもーし」

のんびりとした悠真の声。

「ちょっと、悠真!今どこ!?」
「今?築地さんの店にいるけど…」

「築地さんって…たけちゃんの友達の?
……じゃなくて、今から長田さんのお手伝いだよ!もう長田さん迎えに来ちゃうよ!」
「あっ…忘れてた!」
「えぇー?!」

私は責めるような声を出した。

「怒んないでよ。築地さんの店からそっち戻るのに時間かかるからなぁ…うん、長田さんにお詫びの連絡入れておくから、今日は悠里だけで手伝って来てよ」

悠真は悪気がなさそうにサラッと言う。

「そんな責任感のない事を…」
「確かにね。でもさ、よく考えたら俺は書道した事ないし、悠里だけいればいいんじゃない?」
「うーん……」

そう言われてみれば確かに…と思いながら私は唸る。

「それじゃーあとはよろしく!」

悠真が勝手に電話を切った。
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