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キセイジジツ
第8章 正夢

「…思ったより濡れちゃってるね。そのままじゃ本当に風邪引かせちゃうな。…着替えも持ってくるよ」

長田は悠里から視線を逸らしてそう言うと脱衣場から出て行き、数分後に戻ってきた。

「お待たせ。これ、サイズは大丈夫だと思うけど…」
「これって……」

手渡されたのは女性ものの服だがデザインを見るに最近のものではない。

花の刺繍が裾辺りに施されているが目を凝らして見なければ分からないほど濃い黒のワンピース。

ーーーシンプルだけど素敵。

見とれていると静かな長田の声。

「母のものなんだけど、よかったら。シャワーも浴びてもいいけど…どうする?」
「いえっシャワーは大丈夫です。洋服だけで。ありがとうございます」

私が頭を下げると長田は小さなバックを寄越して付け加えた。

「脱衣場は天井に乾燥機があるから、濡れた服もすぐ乾くよ。スイッチはこれね。ここにハンガー入れてるから、その辺のとっかかりに掛けておくといいよ。…じゃ俺は居間にいるから」

長田は何事もなかったように脱衣場から出て行った。


ーーーあ…焦ったあぁぁぁ。長田さん何も言わないけど、見たよね!?見られたよねぇ…恥ずぅ…

ため息を吐きながらワンピースを脱ぐと、当たり前のように下着も濡れていた。

ーーーやっぱりブラも濡れちゃったか…下は…大丈夫だ。このまま着けとくのは気持ち悪いし…外しとくかな…?でも…人様の家でノーブラはいただけないか…?

下着姿でバスタオルを肩からかけた状態で悩む。

ーーーと、とりあえず、着てみようかな…

ブラジャーを外してワンピースを被り鏡の前で胸元を確認してみるが、乳房の突起が浮き出る事もなく異常はない。

ーーーあれ…心配だったけど意外と大丈夫だ。これなら長田さんにもバレないよね…?

覚悟を決めて居間へと向かおうと脱衣場を出ると、斜め前の部屋、長田家の最端の部屋の襖が少し開いてるのに気づいた。

ーーー長田さん?

そっと近づいて隙間から部屋を覗くが長田の姿はなく、大きなベットの上には大きな本みたいなものが二つ、開かれた状態で乱雑に置かれている。

ーーーあれって…もしかして…

勝手に部屋に入るのは悪いと思いながらも、その二つを確めずにはいられなくてそっとお邪魔する。

ーーーやっぱり!

それは長田の中学・高校での卒業アルバムだった。
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