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キセイジジツ
第8章 正夢

「心配…させたくないので、健兄ちゃんには私はここにいないって伝えてください!」
「了解」

少し頭を下げた私に長田は短く返事をすると携帯を扱い出した。

「じゃ今から電話するから。静かにしててね」

携帯を耳にあてる動作がまるでスローモーションのようにゆっくりと見えた。

何回かの呼び出し音のあと、健が出たようだ。


「あ、俺だけど。さっきバタバタしてて出れなかった、わりぃな。
……この天気のせいで今日の教室は休みになってな。保護者へ連絡を回すのに時間かかってた。
……あー悠里ちゃんには帰ってもらったよ。また改めて手伝いはお願いしようと思ってさ。
……うん。何か急ぎの用事だった?
……そっか。じゃーまたね。お疲れー」


電話を切ってしばらく携帯を見つめたあと、長田は私に目を向けた。

「嘘つくのって、なかなか難しいね」
「すみません…」
「あぁ、いいんだよ。悠里ちゃんを責める為に言ったんじゃないから」
「助かります。……私も健兄ちゃんに電話してきます」
「だね。その方がいいと思う」

長田が相づちを打つのを見てから私は教室へと向かった。

携帯を扱うと健から着信2件とラインが1件届いていた。

【悠里、今恭介のとこ?雨すごいけど大丈夫?】

ーーー心配してくれてる。

上手く嘘をつけるかドキドキしながら健へ発信させる。

ーーーやましい事はないの。心配させない為の嘘なんだから…。

「悠里っ!」
「たけちゃん…」
「はー……連絡つかないから心配したよ。でもさっき恭介から連絡きて聞いたよ。今日中止になったんだろ?」
「そうなの。急に雨降ってきて濡れちゃったからお風呂入ったんだ。ごめんね、連絡遅くなって…」
「いや、いいよ。何もないなら安心した。もし恭介のとこにいるなら迎えに行こうと思ったけど、俺が出先で足止めくらって動けそうにないから、悠里がばーちゃんちにいるなら安心」
「えっ…足止めって…大丈夫なの?」
「ただ車を動かせないだけで、建物の中にいるから平気。悠里はもう外に出るなよ……」

そろそろ電話が終わると思った時ーー

「ねぇ~健ってば~」

甘ったるい女の声が聞こえた。

ーーーえ?この声って……

「おっ俺の事は心配ないから!じゃあね!」
「ちょっ…!」

誰?と尋ねる暇もなく電話は切られた。

ーーーやましい事してるのは…たけちゃんの方なの?
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