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キセイジジツ
第8章 正夢

ーーーどっどういう事?!
あの声……今日プールで会った人と似てた。
いや…似てるんじゃなくて、あの人だ。

今日の昼間に健に絡みついてきた女ーー
健の元カノの声・顔・体を思い出す。

ーーーあの喋り方だって、そう。
分かりやすく甘えるような声で喋ってた。

モデルみたいに整った顔に抜群のスタイル。

ーーーたけちゃんはあの人と……

恋人だったならその行為は当たり前にあったのだろうと頭では理解出来ても、心がついていけない。

ーーーあの人にするように…私に触ったの?
もしかして…まだあの人の事が好きなの?
あの人の代わりに私を抱いたの…?

考えれば考えるほど負の連鎖に取り込まれていく。

健に電話をかけて問いただして答えを聞く勇気がない私は、涙をこらえながら震える手で携帯を扱い発信させた。

3コール以内で繋がるのはーー

「どしたー?」
「……」
「もしもし?悠里?」
「ゆっ…ゆうまぁぁぁ…」

こらえきれずに涙声を出してしまった。

「えっ!どしたの!?…今恭介さんちだよね?」
「うん……」
「…恭介さんと何かあったの?」
「違う。…たけちゃんが…」
「健兄ちゃんが何?ゆっくりでいいから話して」

悠真の声は私をなだめるように穏やかだ。

「さっき…たけちゃんに電話して…たけちゃん今どこかにいて足止めくらって動けないって言ってて…」
「あぁ、この豪雨のせいでね。で?」
「電話を切ろうとした時…女の人の声がしたの」
「…女?間違いないの?」
「うん。その人と今日会ったから間違いない」
「は?」

悠真の声が低くなった。

私は今日のプールでの事、豪雨のせいで長田の家に泊まる事になって健に連絡した経緯などを話した。

「……なるほどねぇ」

私が話し終えると悠真はしばらく黙って、そしてため息と共に言葉を吐いた。

「恭介さんは今近くにいないの?」
「え?…あ、うん。私は部屋にいて、長田さんは居間にいるから…」

なぜここで長田の名前が出るのか分からないが、とりあえず現状を悠真へ伝える。

「これは恭介さんに相談してみるといいよ。健兄ちゃんの事もよく知ってるだろうし」
「えっ…でも…」
「悠里が言いにくいなら俺が聞いてみるよ。恭介さんのとこに行って電話代わって」
「うーん…」
「知りたいでしょ?」

ーーー知りたい。

私は覚悟を決めて居間へ向かった。

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