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キセイジジツ
第9章 思惑

イキそうになる直前で肉棒の根元を強く握られて俺は射精する事が出来なかった。

「くっ……はぁっ…はぁっ…」

肉棒が震えて射精を今か今かと待っている。

「イケなくて残念。イキたかった?」
「う…るせっ…」
「そんな事言っていいの?イケるかどうかは私の手にかかってるのに」
「はぁ……はぁ……」
「もう少し我慢してもらうよ~」


そのまま30分ほどイク直前まで刺激されては止められ、刺激されては止められ、という屈辱的な行為を強いられていた。

「もう頃合いでしょ。ねぇ~まだ~?」

マナが風呂場に向かって声をかけると見知らぬ男が頭をタオルで拭きながら出てきたのだ。

ーーー誰だこいつ…

「お待たせ。始めよっか。こいつの携帯は?」
「ここにあるよ。キレイに撮ってね~」
「はいはい。じゃ脱がせるか」

マナと男が協力しながら俺の服を脱がせていく。

「や…め…」

俺に抵抗する気力は残っていない。

ただ早く射精がしたくて仕方がなかった。

「うっ…」

肉棒にコンドームが装着され、馬乗り体勢のマナが手錠を外して俺の手を自由にする。

「手錠は外してあげる。ほら、マナの腰を掴んで。挿れるよ……んんっ…」
「くっ…はっ……!」

ーーーゴムしてるのにやべぇ…すぐイキそ…

「サトシッ…カメラは?」
「今から。カメラ目線はやめろよ」

サトシと呼ばれた男が俺の携帯で動画を撮影し始めた。

今の俺にはカメラを気にする余裕はない。

マナの腰を掴んで思いっきり腰を振った。

「ああっ……いいっ……!!」

自分の上で喘ぐマナを見つめながら、ほんの一瞬だけ冷静になった。

ーーーこいつとは体の相性悪かったけど、今の状態では文句は言えねぇ。やっぱ欲の捌け口として利用させてもらうよっ…!

天井の鏡を見ると瞳を潤ませてとろけた表情の自分がいた。

ーーーこんな顔…俺じゃねぇ!所詮…媚薬の力なんだ…素の俺だったらもうお前には欲情しねぇんだよ!

力を振り絞って俺は果てた。

「はぁ…出たね。…じゃ今から悠里って子に電話するから最初は話してね。あとは私が話すから」
「は?えっちょっ…」

悠里と電話が繋がって俺は謝罪しか出来なかった。

「ごめっ…ゆうっり……ごめんっ……」

ーーー悠里に合わす顔がない……

女に騙された自分が情けなくて、俺は静かに泣いた。
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