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キセイジジツ
第2章 再会

そぉーっと振り返り、声の主を確かめる。



健(たける)兄ちゃんがいる。

「やっぱり、悠里だ」

当たり前のように腕が伸びてきて
大きな手のひらを私の頭に置く。


健兄ちゃんは昔からの癖なのか
私を見つけると頭を右手でクシャクシャに撫でて
その後で私の左頬を優しく撫でる。

今だって、そう。
そしてこれが二人きりだと更にいやらしい。


頭を撫でて左頬を撫でるまではいつも通り。


その場に二人きりだと分かると
左頬を撫でながら親指で私の唇に触れるのだ。


私の上唇にはホクロがひとつあり
セクシーだねと褒められる事が多い。

そのホクロをなぞるように
愛しげに私の唇に親指を這わす。

そのまま左耳と首筋を触って
私をジッと見つめて手を離すの。


その行為が幼心に何ともいやらしくて
恥ずかしいやら嬉しいやら複雑な心境で
何も言えないままなのだ。

今は手を離されて寂しい。
本当はもっと触れて欲しいのに。


「た…ける兄ちゃん…」

「悠里、久しぶりだね」

私を見つめる健兄ちゃんの目が
いつもとは少し違う。


「ねぇ、今日の私どう?」

そう聞いた瞬間、
健兄ちゃんの肩がピクッと動く。

熱い瞳で見つめられて体が熱くなる。


「悠里…」
健兄ちゃんの腕が私に伸びてきた時…


「バーベキュー始めるぞ~」
元兄ちゃんの声がして、漂う空気が変わる。


私からスッと離れていく腕を見つめる。

「健兄ちゃん…」
「バーベキュー行こう」

健兄ちゃんは優しい顔に戻っていた。



当たり前のように手を引かれて歩く。
昔から健兄ちゃんは私の手を引いてくれる。


慣れたようで、慣れない。
手が、顔が、体が熱くて痺れそう。

悟られないように口を開く。

「健兄ちゃん、いっぱい焼いてね!」
「んー?何がいーの?」
「そりゃ~お肉だよ!」

健兄ちゃんは振り返って笑う。


「悠里はお肉大好きやもんな~」
「お肉だけ焼いてね」
「他にはいらんの~?」

繋がった手を引いて動きを止める。
健兄ちゃんに後ろから抱きつく。


「…ゆ、うり?」

「他にはいらない」
両腕に力を込める。


「たけちゃんだけ欲しい」

「えっ……」

沈黙が流れる。


「…なんてねっ早く行こ~」
うつむいて、手を引いて走った。
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