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第10章 迷心

両手首を頭の横で押さえ込まれた状態で、体に馬乗りになった健から見下ろされて逃げられない。

「いや…やめて……」

懇願するように健を見つめるけどその目は私を見ていないようだった。

まるで欲情に呑み込まれたような…


体が折られて顔が近づいてきた。

思わず顔を逸らして唇から逃れる。

「何で…逸らすのっ？！」

甘さの中に切羽詰まったような響きを感じて、やはり何か違和感がある。

「ちゃんとっ話したいのっ！…たけちゃん今日変だよ！」

私が口調を強くしたのも気にせずに健の手が服の上から乳房に伸びてきた。

「ちょっ！…やめっ……んん！」

再び唇を塞がれて言葉での抵抗を阻まれた。

侵入してきた舌が私の舌を絡め取り逃がしてくれない。

互いの唾液が交わる音だけが響いている。

ーーーこんなの嫌なのに……

嫌がってても体は正直で与えられる快感に下半身が熱くなるのを感じていた。

「ふっ…んっ…」

それが知られないように太ももをギュッと閉じて快感に耐える。

服の上からブラジャーをずらして乳首を摘まんでいた健の手が次第に下半身へと降りていき…

ーーーいやっ…そこは…っ！

抵抗の意味で首を左右に振るも健は見て見ぬ振りをして太ももを簡単に割ってしまう。

ショーツの上から割れ目を撫でられて健の指を湿らせた感覚に目を閉じると唇が離れた。

「はぁ…濡れてるよ…」
「たけちゃん…お願い、やめて…」

ショーツをずらして中指を第一関節まで膣へと挿入される。

「んあっ…」
「こんなに濡れてるのに？やめていいの？」

指が少しずつ侵入していき、片方の指が蕾を摘まんだ。

「ああっ！」

ゆっくりな動きだけど確実に快感を与える触り方に私の体はビクつくのを止められない。

「悠里はこうされるのが好きだからね」

そう言うやいなや、蕾がヌルッとしたもので包まれる。

「ふあっ……はんっ…」

大量の唾液でまみれた蕾はすべりがよくなって舌になめらかに刺激され始めた。

ここまでくるともう私に抵抗する気力はない。

快感に負けるなんて悔しいけど…こんな体にした健には勝てないと思った。

次第にヒクつき始める膣口に気づいた健が指と舌の動きを速めていく。

自分の太ももを抱えて下半身へと意識を集中させると、私は体を震わせて呆気なく果てた。