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キセイジジツ
第10章 迷心

「恭介、暴力は良くないよ。お前の気持ちも分かるけど…」

元がありきたりな言葉をかけ始めると長田がキッと元を睨み上げた。

「元さん!俺の気持ち以前に悠里ちゃんの為です!
こいつのやった事は許されない!」

こいつと呼ばれた健の肩がビクッと動いた。

「今日は変な薬を使われた訳じゃない。なのに自分勝手に悠里ちゃんを抱いてた。意味が分からない。
何よりも…愛情がない!」

長田が奥歯を噛みしめたのかギリッと鈍い音がした。

「確かに、今日のは健が間違ってるな。あれじゃ悠里を苦しめるだけだ。
おい、たけ。何か言い訳はあるのか?」

正座したままの健が「言い訳はない…」と小さくつぶやく。

長田はバッと立ち上がると健を見下した。

「言い訳はないってどーいう事だよ!?お前は本当に意味もなくただ欲のままに悠里ちゃんを抱いたって事かよ?」

「あぁ…」

「嘘ついてんじゃねーよ!お前が本気で悠里ちゃんを好きな事くらい分かってんだよ。何年お前とダチやってんだよ。ちゃんと話せ!」

健はうつむいて自分の膝に乗せた拳を見つめている。

「たけ、俺も恭介の意見と同じだ。お前の悠里に対する気持ちがそんな底辺なものだとは思ってない。
何か理由があるんじゃねーのか?」

元の声のトーンが下がった事により、この場の空気が変わった。

健がゆっくりと顔を上げて口を開く。


「俺…最初は悠里に自分の事を話すつもりでここに連れてきたんだ。いざセフレだった女達の話をすると当たり前だけど悠里の目が少しずつ変わっていった。
俺は覚悟してたつもりで覚悟出来てなかったんだ。
軽蔑されてるんだなって、嫌われるんだなって思うと悠里と会えるのはもしかしたらこれが最後なんじゃないかって…そんな考えにしかならなくてさ。

悠里は悪くないのに『何でそんな目をするんだよ!』って悲しくなって無理矢理キスしてた。
体が繋がれば、俺を感じてくれれば、悠里は俺を嫌わないでいてくれるんじゃないかって何度も抱いた。
いっそ中出しでもして妊娠させちまおーかと思ったけど、それはさすがに出来なかった…」

「当たり前だろーがっ」

長田が吐き捨てるように言う。

「自分で自分を止められなかった。悠里の言葉も耳に入らなかった。だから元兄達が来てくれて助かったよ。あのままじゃ悠里をもっと壊すとこだった…ありがとう…」
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