この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
キセイジジツ
第10章 迷心

健は静かに涙を流していた。

元と長田はそれを黙って見ていた。


ーーーありがとうって…そんな事じゃねーんだよ!

長田は怒りに震えていた。


ーーーーーーー


あの日ーー健がマナにハメられた日

俺は築地に頼んで健を探してもらった。

悠里に送られてきた動画を見るに、この辺りのラブホテルだと気づいたからだ。


案の定、健はすぐ近くのラブホテルにいて手錠でベットに繋がれて眠っていた。

築地によるとマナとマナの男は浴槽の中でヤッてたらしい。お盛んな事だ。

突然現れた強面(こわもて)のお兄さん数人と築地を見るやいなや、マナ達は即謝罪してきたらしいが築地は許さなかった。

健はまた睡眠薬を飲まされて眠っていたのだから。

汚ねえ事をたやすく許す築地ではない。


築地は今でこそお調子者キャラだが、中学の時から荒れていて少しばかり悪い子だった。

そんな築地だから当然この辺では顔が利くのもあって、誰がどこにいるなんて情報はすぐに集まる。

俺や健は悪い子ではなかったが、築地と他校の抗争に巻き込まれて何度か危ない目に遭う事もしばしば。

それでも俺も健も弱い方ではなかったし築地は強者な為、特に怪我をする事もなく過ごしてきた。


そんな時、俺と健が多勢から拉致されるという事件が勃発し、バットなどで散々殴られた俺達はすんでのところで築地に助けられて命拾いした。

その時に誓ったんだ。

俺達はお互いを助け合って、汚ねえ事はせずに生きていこうって。

ーーー健。お前はそれを忘れたのか?


築地はマナ達を仲間に任せるととりあえず健を自分の家に連れて帰った。

マナ達がどうなったのかは俺でも怖くて築地に聞けなかった。
犯罪に染まる事はしてねえはずだけど。

だからもうマナ達に対する心配はないと思ったし、健もしばらく時間が経てば何事もなかったように笑って会えるんだと思ってたんだ。

それなのにこれはない。

ーーーお前が悠里ちゃんにした事は汚ねえ事じゃねーのか?


ーーーーーーー


「健、お前はずるいよ。自分からも悠里ちゃんからも逃げてずるい。淳と昔、誓ったのを忘れたかよ?」

「…!」

「お前が最初に言い出した事だから忘れるはずねーよな。なのに何でマナ達と同じような事を悠里ちゃんにしてんだよ!?」

「ご……ごめ……」

健が頭を抱えて嗚咽した。
/270ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ