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キセイジジツ
第10章 迷心

「何、恥ずかしいの?仕方ないじゃん」

「んーそうなんだけどさぁ…」

ーーー双子でも女心までは分からないのか…
その辺はやっぱ男だな…

と思いながらレンゲを口に含む。

「俺は悠里の裸見ても平気だし、恭介さんだって裸見たくらいどうって事ないでしょ」

「はあ?」

イラッとした、確実に。
そんなの自分が一番分かってる。

私は恥ずかしいだけ、それだけなのに余計な事を言う悠真にムカつきながら言葉を返す。

「私だって悠真の裸見ても平気だもんねー。長田さんのは分かんないけど!」

「へぇ?」

悠真が片眉だけを動かして口角を上げる。

「じゃ今日の夜にでも久しぶりにいっしょに風呂入ってみる?」
「え…」
「俺の裸見ても平気なんだろ?」
「いや…」
「お姉ちゃんの背中くらい流してあげるけど?」
「すみません…やっぱ無理……いたっ!」

悠真が私のおでこを指で弾く。

「冗談だよ。変な事言う暇あるなら早く食べなよ」

「うん…」

おでこを擦りながら白湯を飲んでいると悠真は携帯を扱い始めた。

「で、話の続きだけど、あと30分後には来るって」
「誰が?」
「恭介さんが。悠里がまだ目を覚ましてないって連絡したらお見舞いに来てくれる事になってさ」
「長田さんが?てか私もう目ぇ覚めてるけど!」
「それはまだ連絡してない。もうこっちに向かってるはずだし、俺も恭介さんに会いたいし別にいいかなと思って」
「えぇーー」

悠真が私の髪を一房掴む。

「だから早く食べなって。今の悠里はスッピンで髪ボサボサでとても人に会える姿じゃないでしょ。お風呂沸いてるよ」
「うっ…」
「俺は見慣れてるけど恭介さんはどうかな~」
「お風呂入ってくる!」
「ご飯はもういいの?」
「悠真にあげる!」
「えー食べかけー?」

悠真の不満そうな声を聞きながら私は浴室へ急いだ。

脱衣所で鏡を見ると確かにひどい。

簡単にでも入浴を済ませる事にした。



浴室から出て脱衣所の時計を確認するとまだ10分ほどしか経っていなかった。

部屋着に着替えて悠真に髪を乾かしてもらいながら化粧をしようと思い居間へ向かう。

「ゆーまぁー髪乾かしてー」

聞こえるように声を出しながら居間の扉を開くと、悠真よりも広い背中が目に入る。

「あ、悠里ちゃん」

振り返ったのは笑顔の長田だった。
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