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キセイジジツ
第10章 迷心

ーーーな、なんで…ながたさん…

あまりの衝撃に悠里は固まった。

ーーーわ…わたし…こんなカッコ…


「悠里ちゃん?」

長田が首をかしげているけど言葉が出ない。

ジリジリと後ずさり居間から離れようとするとトンッと背中が何かにぶつかった。

「何してんの?」

いつの間にか後ろにいる悠真に恨めしげな視線を向けると「はは…」と苦笑いした。

そして私の肩を掴んで長田へ顔を向ける。

「恭介さん。すみませんけどしばらく待っててもらえます?」
「あぁ、大丈夫だよ」

長田は特に問いただす事もせずにニコッと笑う。

そんな長田を呆然と見つめながら悠真に押されるように居間を離れた。


自分の部屋に入り悠真を振り返る。

「…どういう事?」
「あー…予定より早く着いたみたいでさ」
「それなら先に言ってよ!」
「言おうと思ったけど、悠里風呂入ってるしさー」
「うっ…そうだけど、私恥ずかしい姿見せちゃったよ!ほら、この頭とか特に!」

タオルで髪を包んだ頭を指差す。

見た目は潰れたソフトクリーム。

「悪かったよー…ほら、乾かしてやるから」
「あたり前よ!キレイにしてね!」

そうして悠真に乾かしてもらいながら化粧をする。


半分ほど髪が乾いてきた頃、悠真が口を開く。

「なぁー悠里」
「んー?」
「何であんなに慌てたの?」
「え?」

質問の意味が分からずに鏡に写る悠真を見る。

「恭介さんに対してだよ」
「えっ…恥ずかしいとこ見られたら慌てるでしょ」
「うん。でも前にさー郵便配達のお兄さんにさっきみたいな姿見られても気にしてなかったじゃん」
「あー…そう言われれば…」
「それに俺に対しても怒るしさ。もしかして、恭介さんだから恥ずかしいと思ったんじゃないの?」
「うーん…?」
「それってさ、恭介さんの事少し意識してるって事じゃない?」

私はファンデーションを塗る手を止める。

「何言ってんの?」
「だって健兄ちゃんに見られても平気でしょ?」
「たけちゃん?んー…平気かも」
「ほらね。やっぱ恭介さんだから恥ずかしいし慌てたって事だよ」

イマイチ納得出来ない私に悠真は言葉を続ける。

「自分じゃ気づいてないだろうけど、恭介さんの名前を聞いた時の悠里の顔、女の顔になってたよ」

ーーーえっ……私が?

鏡の中の自分に視線を戻すと、頬が赤くなってるのに気がついた。
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