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キセイジジツ
第2章 再会
バーベキューが終わる頃にやっと保(たもつ)兄ちゃんが帰って来ていた。
元兄ちゃんと美咲さんと楽しそうに話している。
ーーー何か…体型が変わったような。一昨年会った時よりガッシリとしてる?
健兄ちゃんの横で保兄ちゃんをじぃーと見ていると私の視線に気付いたのかこちらを向く。
私が軽く手を振っても保兄ちゃんは目を凝らして私を見るだけ。
ーーー私やと分かってないな。
そんな保兄ちゃんに気付いた元兄ちゃんが笑いながら何か伝えると、保兄ちゃんは目を見開いて驚いた表情をした。
そして私のところへやってくる。
「本当に悠里?」
「うん。保兄ちゃん久しぶり」
ニッコリ笑って返事をすると
声でやっと認識してくれたのか保兄ちゃんの目が優しくなった。
「何か大人っぽくなったな」
「本当っ?」
「きれいになったよ」
「ありがと!」
保兄ちゃんがポンポンと私の頭を触る。
大きくて温かい手で安心するけど健兄ちゃんの時みたいにドキドキはしない。
「兄貴、お帰り」
頭から手が離れる。
横にいる健兄ちゃんが保兄ちゃんの手を私の頭から離したのだ。
ーーーえ?
その行動に驚く事もなく保兄ちゃんは弟へ視線を移す。
「ただいま、たけ」
「遅かったね」
「時期的に忙しいんだよ」
「あーね。メシは?」
「まだ。肉残ってるかな」
私を放って兄弟で会話を続ける二人を不思議な気持ちで見つめた。
保兄ちゃんはいかにもスポーツマンという見た目で短髪に日焼けした肌でガッシリ体型。胸筋が凄い。
健兄ちゃんは短髪でも長髪でもないけど爽やかさを忘れない。それで色気を纏っていて筋肉もほどよくついている。
ついでに言えば…
長男の元兄ちゃんはインテリ系で頭が良く兄弟で一番爽やかな優男。筋肉は並みにあるだろう。
ーーー私ったら……筋肉の事ばっかり。
筋肉フェチなんです、すみません。
ーーーまぁ、基本的な顔の造りは似てるんだけど個性が強いんだよね。
みんな従兄弟として好きだけど、健兄ちゃんがいちばん好き。
「悠里」
少し高めだけど低い大好きな声色。
名前を呼ばれる度に私の名が色付く。
「顔赤くない?熱でもある?」
大好きな手のひらが私のおでこを包み込み
焦げ茶色の瞳が私を捕まえる。