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キセイジジツ
第2章 再会

熱はない、けど、体の中が熱くて…
このまま溶けてなくなりそう…


「もうバーベキュー終わるよ」
「うん」

「腹いっぱいになった?」
「うん」


ーーーうん、しか言えない。

焦げ茶色の瞳が優しく揺れる。


「半分以上帰って、家の中で数人で飲みなおすらしーけど、お前も来る?」
「…いいの?」

「酒は飲ませねーけど」
「行く!」


思わず抱きついた私を健兄ちゃんは軽く抱き上げる。
体と体がピッタリとくっつき私の太ももが健兄ちゃんの手で腰の位置に持ち上がり、ふくらはぎはお尻の上で交差し両足首を組み合わせる。

もちろん腕は首に絡ませて。

思わぬタイミングで'抱っこ'をされている体勢になり、健兄ちゃんを見下ろすと
口角がわずかに上がり、あきらかにニヤついている。


「お、重いよっ」
「別に重くないけど」

「降ろしていいよ…」
「だって俺、悠里係だし?」

「っ……!」


そう言って笑う健兄ちゃんにやられる。

胸が痛い…キュン死にする…


ーーーいや、キュン死にってもう死語だな…


死語だと冷静に分析する頭が残ってるなら大丈夫だ。
私はまだやられてキュン死にしてない!
気をしっかり保つのだ!


「表情がコロコロ変わりすぎだろ」
「はっ!」


健兄ちゃんがクククッと笑う。
年上の男の人だけど笑う姿は少年のようで可愛いと思ってしまう。


「笑った顔、好きだなぁ」

「えっ…?」
私を見上げる焦げ茶色の瞳が動揺の色を見せる。

「え?いや、その、あのっ…」

ーーーうわわわ、心の声が出てしまったぁぁぁ。
やばい、恥ずかしい。今なら口から火を吹ける…
健兄ちゃん…私を見ないでぇぇぇぇ!!!


今すぐこの場から逃げたいけど抱っこされているから逃げられない。

それならせめて顔だけでも、と両手で顔を隠して健兄ちゃんから顔を背ける。
穴があったら入りたい、まさに今の気持ちはこれだ。


自分自身をコントロール出来ないもどかしさに身悶えていると、急に両手の甲側にわずかな風を感じた。

何だろうと指と指の間を開いて盗み見すると健兄ちゃんが唇をすぼめて私の手の甲に息を吹きかけていたのだ。


「なっ何してるの?」
「悠里の顔が見たくて」

「えっ」
「よく見せてよ」


苦しそうに眉を寄せ目を細めて私を見つめる。
視線をそらせなかった。
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