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キセイジジツ
第2章 再会

捕らわれる。

ーーーこんな表情見た事ない。


逃げられない。

ーーーどうして?


知りたい。

ーーーどうして、そんな顔をしているの?



「悠里…」

少し掠れた声に背中がゾクッとした。

私を抱き上げたままなのに一度もふらつく事ないどころか片腕で私を支えてくれながら片腕を伸ばす。


右腕の動きがスローモーションのようにゆっくり見える。


まばたきするのも忘れて開かれた右手を眺める。

長くて太すぎないバランスのとれたきれいな指。
どれだけの女性に触れてきたのだろう。


躊躇する事なく赤く火照った頬にすりつき
割れ物に触れるかのようにそっと撫でられる。


ツーっと親指だけ動かし唇を確かめて
ホクロを見つけ親指で何度もなぞる。


「たけ、ちゃん?」


顔を上げて私の目を見て、唇に視線を戻すと
ほんの少し開いた健兄ちゃんの唇が私の唇へ近付く。


瞬間的に気付いた。

ーーーキス、される。


ドクドクドクドク…

心臓の音がひどくうるさい。


私のファースト、キス。

健兄ちゃんに捧げるつもりでここまできた。


でも…なに、この気持ち。


嬉しい。でも戸惑ってる。
好きなの。でも怖い。


今、キスをしてしまったら…
戻れなくなる?


ーーー結ばれてはいけない

そんなの分かってる。
分かってて好きになった。


ーーー越えてはいけない

どこまでならいいの?
キスまでなら許される?


ーーーそれが運命なのだから

運命は残酷。
こんなにも好きなのに。


私の気持ちが汚れたものなら、誰も私を見ないで。


たった一人だけ。
あなたが私を見ていてくれたら。


きっと幸せ。


ーーー運命は変えられない

嘆かなくていい。
変えられなくても修正はできる。

批判されてもつまずくな。


脳を揺さぶる想い。

ーーーたけちゃんが好きっ

本能のままに動け。

「たけちゃ……んっ……」


唇と唇がわずかに触れ合う。
優しくて温かいファースト、キス。


ーーーキスしちゃった……


目を閉じる事が出来なくて、もったいない気がして、
ずっと健兄ちゃんの瞼を見つめていた。
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