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キセイジジツ
第11章 外出

電話を終わらせて教室へ戻ると、悠里が一番後ろの机で大和の相手をしている事に長田は驚いた。

この教室にもなかなか馴染めなかった大和が少し微笑んでいるのを見て嫌な予感しかない。

襖をそっと閉めて教室に入り、足音をたてずに二人へ近づくと、大和は悠里に体を寄せていた。

それだけならまだ目をつむれるのだが、大胆にも片方の手を悠里の腰に回していたのだ。

長田は大和の手を掴み、ひねり上げる。

「いってえぇー!!」
「大和。何してんだ?」

何事かと悠里が手を止めて長田を見上げた。

悠里にはとびきりの笑顔を向ける。

「長田さん。もう電話はいいんですか?」

「うん、もう大丈夫。遅刻してきた大和に話があるから、悠里ちゃんは俺の席に行っててくれる?」
「え?あっ…はい」

悠里は戸惑いながらも一番前にある長田の席へと向かった。

「で?」

長田はひねり上げた手の主を見下ろす。

いつもの穏やかな声ではない。

目も冷たく光っている。

「この手は何だ?」
「恭介さんっ…痛いって…」
「悠里ちゃんの腰を触ってただろ」
「えっ…ほんの少しだけじゃん!」
「少しでもダメ。次悠里ちゃんに触ったらお前…」
「だって悠里が…」
「悠里ぃ?!」

大和が悠里の事を呼び捨てにしてるのに長田は興奮して大和のアゴを掴む。

「しかも呼び捨てとは…いい度胸だな。お前、絶対シメる」

「そんなあ…。だって悠里…ちゃんは恭介さんと付き合ってないって言ってたけど?」
「俺達にもいろいろあるんだよ。でも彼女は俺の将来の嫁さんになる人だ。お前はちょっかい出すなよ」
「へぇー恭介さんでも女の為に焦る事あるんだ。そんなに悠里ちゃん好きなの?」

「あぁ、彼女以外に興味ない。だからお前は諦めろ」

長田はしっかりと釘を刺したつもりだが、それが逆に大和に火を点けてしまったようだ。

「そう言われると益々、悠里ちゃんに興味湧いてきた!だから別にシメられてもいいよ」

「なっ…?!」

長田は呆然と大和を見つめる。

「俺、簡単に手に入る女に興味ないから。恭介さんと俺、どっちが選ばれるだろうね?ふふっ」

ーーーこ…こいつ…!

長田は新たなライバル出現に奥歯をギリッと噛みしめた。
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