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キセイジジツ
第12章 作戦

何かが落ちたような物音で目が覚めた。


ーーーあれ…いつの間に…

部屋は明かりがついたままで長田の姿はなかった。

ーーー長田さん…どこ…?

鍵を内側から外して部屋から出ると居間の方から長田の話し声が聞こえてきた。

その声に誘われるように居間の扉を少し開けると、長田は携帯で電話をしていた。

ーーー大和くんが…いない…でも……

大和がいない事に気づくも、長田の電話の方が気になる私は耳をすませた。

「……ですから、お断りしようと思ってですね…」

長田の声は低く、表情は固い。

「他にも適任者がいるはずです。私でなくても…」

ーーー適任者?…何の話だろ?

「あぁ…食べちゃいましたけど…」

ーーー食べた?ますます分かんない…

「…もう少し考えさせて下さい。はい、はい、では失礼します」

電話を切って深くため息を吐いている。


何となく声をかけにくくて部屋に戻ろうと振り返り、歩き出そうとした時…壁に足の小指をぶつけた。

「いっ!!?」

うずくまって小指をさすっていると、足音が聞こえて居間の扉が開き「あっ」という驚いた声が聞こえる。

「どうしたの?!」

しゃがみ込んで覗き込んできた顔はいつもの長田で、余計に先ほどの電話の事が気になってしまった。

「こ…小指を壁にぶつけて…」
「あらら…それは痛いね。歩ける?」
「大丈夫…あうっ……じゃないです…」

歩こうとして足に力を入れるとなかなかの痛みに襲われた。

「はは…無理しないで。…よっと」

体が浮かんだと思ったら長田に抱え上げられていた。

「えっ!?あの…」

ーーーまさかのお姫様抱っこ……!

「部屋まで連れてくよ」
「で、でも…重いし…」
「一応、俺も男だからね。悠里ちゃんくらい平気だよ」

ーーー長田さんも…男。

爽やかに笑われて改めて長田を男性として意識し、恥ずかしくなり、顔を長田の首元に埋めた。

ーーーそういえば…さっきキスしたんだよね…
我ながら……大胆な事をしたわ……

長田とのキスシーンを思い出して頬を染めていると部屋に到着し、ベットへ降ろされた。

「あ…ありがとうございます」
「いいんだよ。じゃ布団取ってくるから…」

出て行こうとする長田の服を掴んで止める。

「あの………いっしょに寝たいです」

「えっ…」

振り返った長田が、目を見開いて私を見つめた。
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