この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
キセイジジツ
第13章 確信
「そっか…、そうだよね。私だって事情もよく知らない人からいろいろ言われたら、余計なお世話!って思うし…長田さんだってそうだよね」
「そゆこと」
「でもなあー…」
「まだ何かあんの?」
「私、長田さんの事好きなのかなって…」
「はあ?」
「健兄ちゃんの時みたいに憧れてるだけなのかなって思って…。何をどうしたら好きなのか分かんない!」
「悠里…、そんなお馬鹿だったっけ?」
「お…お馬鹿って…ひどいよ、りっちゃん!」
「いやいや、何で人の気持ちは分かるのに自分のが分かんないわけ?ほんっと…鋭いんだか、鈍いんだか…」
「そんな事言われても…」
「あのさあ…悠里。答えはすごく単純だよ」
「単純?」
「話を聞いた限り、長田さんの事は嫌いじゃないし、触れ合いたいし、何かしてあげたいと思うんだよね」
「うん。私に出来る事なら」
「じゃ逆に考えてみて。極端な話、嫌いな人なら会いたくもないでしょ?」
「うん。苦手な人でも会いたくない」
「悠里は見た目の割に考え方がしっかりしてる分、好き嫌いがハッキリしてるんだよ」
「けなしてるの?誉めてるの?」
「誉めてる誉めてる。……って事は?」
「……長田さんの事、好き……?」
「そう!それしかないでしょ。基本的なところで迷子にならないでよ」
「だってぇー…」
「ついでだから言っておくけど、でもとか、だってとか否定的な言葉は使わない事。運気も長田さんも逃げてくよ」
「うう…」
「気持ちに気づけてよかったね。…あとの長田さんの女性関係とかは私は何も分かんないし、どうしても気になるなら聞いてみたら?」
「…どんな風に聞いたらいいと思う?」
「どんなって、直球勝負しかないやろ~」
「何か…急に適当になった!」
「そんな事ないって~。あ~お腹空いた」
「ほら、やっぱり。りっちゃん、お腹空くと適当になるもん」
「ごめんって~。でももう私が言う事はないし、悠里ならきっと大丈夫だよ」
「……うん、ありがと……」
「また何かあったら電話して。…いや、もう帰ってくるか」
「明後日そっち帰るつもり」
「気をつけてね。…あっ!」
「何?」
「お土産、よ・ろ・し・く。食べ物で。じゃね~」
「うん。じゃあね」
ーーーりっちゃん、ありがとう。
…帰ってからもう一度、直接言おう。