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キセイジジツ
第14章 訪問

長田の言ってる意味が分からなかった。

はっきりしたのは、一度だけ風俗の経験があるという事。

ーーーやっぱり。分かってたつもりだけど…複雑…。

「よく意味が…」
「正直女の子自体に興味はあったから知りたいと思ってね。でも周りにいる普通の子に下ネタを尋ねるわけにはいかないから、風俗で働いてる子にいろいろ教えてもらう事にしてさ」

ーーー風俗の子に教えてもらう?

怪訝そうな顔をする私に長田は苦笑いする。

「いやいや、手取り足取りじゃないよ。ここは誤解しないでね?どこをどんな風にすれば女の子は気持ちよくなるのか教えてもらっただけなんだ」

ーーーそんな普通に教えてもらえるもの?

男女が個室に二人きりでいて何事もないってありえるのだろうか。

「あとはネットとかよくあるDVDとか見て動きの方は身につけた感じ?だから一昨日はほんっとに緊張したよ…悠里ちゃんを満足させられるかって」

ーーーそりゃあもう満足ですよ…満足すぎるくらいですよ…!

「だから遊んだりとかしてないし…信じて欲しい」

何となく嘘はついてないと思った。

ーーーうーん……。

「何ならその俺の先生(風俗の子)に確認してくれてもいいけど…」
「いえっそれは大丈夫です!」

テーブルに置いたままだった携帯を取る長田の手を掴んで止めた。

ーーー先生って…。聞いても気まずいだけだし…

「本当にそれで納得?俺はちゃんと信じて欲しいんだけど」
「電話しても意味ないような…」
「まさか口裏合わせてるんじゃって疑ってる?俺さっきはずるいやつだったけど、これに関しては嘘ついてないよ!」

長田がムキになったので、私もつられてしまう。

「それは分かってます!長田さんは嘘つくと分かりやすいですから!!」
「え?」
「あっ…」

ーーー分かりやすいとか…失礼な事を言ってしまった。

そろ~っと長田を見ると手のひらで顔を隠して肩を小刻みに震わせている。

「す、すみません。失礼な事言って…」
「ぷっ…」

どうやら怒ってはないようだ。

「いやあ…そんな事ストレートに言われたの初めてだよ」
「はは…」
「確かに俺嘘つくの下手かも。って事はさ、信じてくれるって事?」
「はい……信じてみます」
「信じてみます?!…まあ今はそれでもいっか」
「ふふっ」


言葉より行動で私を信じさせて下さい!
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