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キセイジジツ
第2章 再会
クラクラするけど…気分は悪くない。
嫌な事や悩んでる事が何だかどうでもよくなってきた。
これがお酒の力なんだぁ…
お酒に逃げちゃう人の気持ちが今なら少し分かる気がした。
それより…もう眠い。
ベットで寝たいけど動けないよ…
も…いいや…
ここで寝ちゃおう…
おやすみなさい…
ーーーーーーー
「あ、寝落ちした」
悠里の様子を見ていた元がスッと立ち上がる。
「運ぶやつ連れてくる」
そう言うと隣の部屋へ入って行った。
「保、健、一度しか言わないから、よく聞け」
保と健は素直に言う事を聞いて、元に耳を向ける。
「非常に言いにくいんだが……悠里が間違って酒を飲んで寝落ちした。ばあちゃんにはウチに泊めるって連絡して了承済みだからウチに泊める。
美咲と悠里を俺の部屋で寝かせようと思ってたんだが肝心の美咲が泥酔手前で介抱が必要だ。必然的に俺が介抱する事になるから俺は美咲と寝ようと思う。
さて、ここからが問題だ。悠里はどこに寝かせるか。リビングやサービスルームは野郎共が雑魚寝するだろうから可愛い悠里をそんな狼の群れには寝かせられない。じゃーどうするか。
残ってるのは保の部屋か健の部屋だ。お前らどちらかが悠里を介抱していっしょに寝ろ」
ーーーいやいやいや!なにそれ。
悠里が酒飲んで落ちたのも驚いたけど、美咲さん何で泥酔すんだよ…
兄貴ならたぶん手出しはしないだろうけど兄貴も男だからな…
そうなると俺の部屋ってなるけど、俺も男なんだよ!
あーちくしょう…どうするかな…
健は頭の中で葛藤している。
そんな健を気にする事なく保が立ち上がる。
「俺の部屋にしよう!」
心なしか…目がギラついている。
「待て!兄貴はダメだ!」
「どうしてだよ」
「下心が見え見えだから」
ちぇっと保がいじけた。
「で、どうすんだ?」
元の試すような目が怖い。
「うぅぅぅぅぅぅ」
「男ならスパッと決めろ」
「あぁぁぁぁぁ………俺の部屋だ!!」
「……分かった、健の部屋だな」
「俺の部屋じゃなくてー?」
保が意外としつこい。無視だ。
「悠里はリビングで横になってるからお前が自分の部屋まで連れて行け」
「分かった」
「俺も美咲を連れてもう部屋に行く。悠里の事、頼んだぞ」
フッと笑うと元は保の部屋から出て行った。