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キセイジジツ
第2章 再会
健は気になる事はどんな事をしても解決させるタチだ。
今まで生きてきて、これが変な事だとは思わなかったし気になる事は解決した方がスッキリするという持論に誇りを持っている。
だが今日だけは己の持論を捨ててしまいたい…
ーーーと、とりあえず、冷静によく考えよう。
ほとんどの人は寝る時に部屋着やパジャマに着替えるよな。こんな俺ですら部屋着に着替える。
じゃ…可愛い悠里は…必然的に着替える派だろう。
冷静になりたくなかった。
ーーー着替える事が分かったとして、次の問題だ。
寝ている悠里をどうやって着替えさせる?勝手に?いや、それはまずい。犯罪レベルだ。
着替えが成功したとしても悠里が起きた時点で俺の仕業だとバレる。バレたら嫌われてしまう。そんなのは嫌だ!!
嫌われる=死だ。
ーーーん?待てよ待てよ……起こさない事を前提に考えてたけど逆に起こしてしまえばいいんじゃないか?
そっと起こして着替えるか尋ねて、悠里自身で着替えてもらえば俺は着替えさせなくて済むし、嫌われる可能性はほぼゼロになる!冴えてるぞ、俺!
決意を新たに、悠里の肩を揺らして声をかける。
「悠里っ起きて!悠里ちゃーん」
悠里はびくともしない。
次は頬を痛くない程度にペチペチしてみる。
「悠里ー?」
両手を握って振ってみる。
「起きてー」
耳にフーッと息を吹きかける。
「ゆぅーりぃー」
全く起きる気配がない。
さすがの俺も焦りなのかイライラしているのかテンションがおかしくなってきた。
「ゆーりーくすぐっちゃうぞー」
「起きないと大変だぞー」
そう言いながら太ももを挟み込む形で悠里の上に乗り、脇や腰にかけて一斉にくすぐると悠里の体が大きくビクッとした。
「あはははっ!くすぐったいっやめてぇぇ」
健は手をすぐに手を止めた。
「やっと起きた……」
悠里は俺を見てキョトンとしている。
「健兄ちゃん?何で……」
そして自分と俺の体勢を見て、うろたえた。
「ど、どう、してっ、わたしっ、ここここにっ?」
「悠里、落ち着いて。説明するから」
俺は悠里の上から降りて床に正座する。
それを見て悠里もゆっくり起き上がった。