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キセイジジツ
第2章 再会
「まず、気分はどう?」
「気分?何ともないけど…」
何でそんな事を聞くのか分からないという顔をしている。
「何も覚えてない?」
「何もって……あっ……」
「お酒飲んだよね」
「うん、間違えて…」
「その後は?」
「すごく眠くなって…」
「寝ちゃった?」
「うん…」
恥ずかしそうにしている姿が可愛い。
「悠里は最初リビングで寝てたんだけど、美咲さんが泥酔して元兄ちゃんが二人で寝ることになってさ、悠里の寝る場所がなかったのね」
「うん」
「それでリビングとかで寝かすわけにもいかないから、とりあえず俺のベットへ連れてきたわけ」
「ありがとう……」
「で、服を着替えさせるべきかなと思って、くすぐって起こしてみました」
「そっか…」
頬がほんのり赤く染まる。
「着替えるにしても俺の服しかないけど、どうする?着替える?」
「健兄ちゃんの服……」
「どれ着ても悠里には大きいだろうけど…」
「着替えたい!」
耳まで真っ赤になっている。
「自分で選ぶ?俺が決める?」
「自分で選ぶ…」
「おっけ。そこの引き出しの中ね。好きに選んで着替えて。その間に俺も着替えてくるから」
俺は部屋着を持って部屋を出た。
ドキドキドキ……
ゆっくりと引き出しを開ける。
そこにはあたり前だけど健の服がたくさん詰まっていて、手に取って思わず匂いを嗅いでしまう。
ーーー健兄ちゃんの匂いがする。
いろいろと手に取ってみて、この中で小さめの服を選んで着替えた。
それでもやっぱり大きくて、健の大きさを感じる。
コンコンッ…ドアがノックされる。
「着替え終わった?」
返事をせずにカギを外してドアを開ける。
「ありがと。ん?それって…」
健の視線を感じて恥ずかしい。
「俺の中学の体操服…」
「えっ」
「でも似合ってるよ」
「あ、ありがと…」
ーーーまさか体操服を選ぶとは思わなかった。
でも中学のだからサイズも小さめで悠里に似合ってる。
「あ、でも洗濯してないわ」
「いや…洗濯されてるみたいだよ」
「え?」
「だって良い匂いするもん」
体操服をクンクン嗅いで笑う悠里。
まるで俺自身を嗅がれているようで…
俺は情けなくも、無性にムラムラしてしまった。