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キセイジジツ
第4章 発覚
部屋から出てリビングに入ると良い匂いが漂っていて、誰が料理してるんだと思いながら匂いに誘われてキッチンに入る。
「おそようだな、健。もう昼だぞ」
俺に気付いた元が笑いながら皮肉を言うけど今日の俺は気にしない。
「おはよ、兄貴。それ、焼き飯?」
「あぁ。他の連中は外で残った肉焼いてる」
「悠里と俺の分もある?」
「ん、ギリギリだな。それより…悠里はどうした?」
キョロキョロしてから探るような目を向けてくる。
「まだ…寝てる。飯は部屋で食べようと思ってさ」
「悠里は調子悪いのか?」
「いや…そんな事ねーけど」
「ならいい。もう出来るから待ってろ」
次は俺がキョロキョロする番。
「うん。あれ…そーいえば、美咲さんは?」
「あぁ、美咲も部屋にいる」
「出て来ないの珍しいね。まだ寝てんの?」
「いや、起きてる。でも今お仕置き中だから出られないんだ」
言葉の意味が分からずに元を見つめると何とでもないように爽やかに笑っている。
「お仕置き=調教中って事」
「……は?」
「お前、オモチャ持ってんの?」
「オモチャって……大人の?」
「それしかないだろ」
「いや、持ってねーけど…何だよ急に」
「やっぱりな。まだまだだな。男ならオモチャの一つや二つくらい持っておけよ」
「…別にオモチャに興味ねーもん」
真面目に答えた俺を見て元は信じられないというように目を見開いた。
「男の為に持つんじゃねーよ。愛しい女を名一杯、悦ばす為に持っとくんだ!」
「愛しい女……いやでも…買うのとか恥ずかしーし…」
「任せろ、俺の新品のやつを譲ってやる」
「え、まじ?」
「焼き飯を持って行ったあと、俺の部屋まで来い」
「あぁ、分かった」
そう言うと皿に盛った焼き飯を二人前とペットボトルのお茶をトレーに載せて渡してくれる。
チラッと兄貴を見ると焼き飯やお茶を持って自分の部屋へ向かっていた。
ーーーまさか、兄貴の口から調教とかオモチャなんて単語が出てくるとは……ドSなのは薄々知ってたけど……俺の何倍も大人だ………
自分の部屋に到着してドアを開けて入ると悠里は目を閉じていて寝ているようだった。
そっと部屋を出て元の部屋に向かうと…すでにドアの前で待っていて茶色の小袋を渡された。
「清潔に使えよ」
ニヤッと笑ってそう言うと自分の部屋に入って行った。