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キセイジジツ
第4章 発覚

部屋のドアが開き健が戻ってきた。

手には茶色の小袋を持っていてそれをすぐクローゼットの棚に押し込んでいた。

「健兄ちゃん…」

私が声を出すと分かりやすく体をビクッと震わせてクローゼットを閉じてから振り返る。

「悠里…起きてたのか」
「うん。今の小袋…何?」

「別に何でもないよ。それより、飯にしよう」
「うん…」

それ以上尋ねる事はやめてテーブルに目をやると焼き飯が置いてあり、意識はすぐ持っていかれた。

「ほら、起こしてあげるよ」
「ありがと…」

起こしてもらってヒョイッと抱きかかえられてテーブルの前に降ろしてもらう。

「美味しそう」
「兄貴が作ってくれた」

「…元兄ちゃん?」
「うん。食べよ」

スプーンですくって一口食べる。

「うわっ美味しい!」
「だろ。兄貴の焼き飯すげーウマいんだよ」

それから褒め言葉を繰り返して完食した。

「ごちそうさまでした」
「ごっそさん」

健がトレーに皿を載せるのを見ながら腕の服を引っ張る。

「健兄ちゃん、私の携帯取ってくれる?」
「あぁ、ちょっと待って。……ほら」

「ありがとう。あっ…」
「どした?」

「ううん、ちょっと電話するね」
「…じゃ俺これ置いてくるよ」

ニコッと笑いかけると健もフッと笑い部屋を出て行った。

携帯の画面を見るとーー悠真や律から何度か着信が残っていてすぐにラインを開くと『さっきの電話気にしないで』とか『折り返しはいらない』とメッセージが届いていた。

ーーー何これ。逆に気になるって。

迷わず律へ発信して、しばらく呼び出し音が続いたあと繋がった。

「もしもし…」
「りっちゃん!電話あったけど何かあったの?」

「え…何もないよ。悠里どうしてるかなと思って」
「そっか。りっちゃんに会いたい…」

「電話じゃ話せないの?」
「うん。会ってから話すね」

「分かった。…あっ今ね悠真といっしょにドーナツ食べてるよ」
「そーなの?いいな、ドーナツ」

「急にドーナツ食べたくなってさ、悠真誘ったの」
「悠真ドーナツ好きだしね」

「悠真に代わる?」
「いや、いいや。明日こっち来るらしーし」

ドアが開いて健が戻って来た。

「ごめん、もう切るね」
「うん。またね、悠里」

先に私が切って健を見つめると遠慮がちに口を開いた。
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