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キセイジジツ
第4章 発覚

自宅から徒歩で数分圏内にある小さな公園のベンチに悠真は座っていた。

昔から家に帰りたくない時はこの公園で時間を潰す事が多く、密かにお気に入りの場所なのだ。


昼過ぎから律とドーナツを食べに出かけて、幼なじみで親友の関係だけあって、気兼ねなく楽しい時間を過ごしていた。

それを一本の電話が一気に変えてしまう。
律の両親が珍しく早く帰宅しているという事で、律もすぐに帰宅する事になったのだ。

些細な俺の気持ちの変化に気付いた律が「悠真も来る?」と誘ってくれたが、せっかくの家族団らんを邪魔するのに気が引けて断った。
そして一時間前に律を自宅まで送り届けて今に至る。


「帰りたくねぇ…」

心の中で喋ったつもりだった。
しかし、あまりにも自分にとっては切実な想いだったのか、重い声が漏れていた。
すぐに周囲を見渡して誰もいない事を確認する。

ホッと胸を撫で下ろし、ズボンのポケットに手を潜らせる。
そこには携帯とわずかな小銭がいくらか。
他に持ち物はなく、これでは何も出来ないなと肩を落とす。

すでに数人の友人に連絡をしてみたものの、突然の誘いに乗ってくれる友人はいなかった。
彼女や女友達と遊んでるから無理とあっさり断られ、一方的に電話も切られたのだ。

「くそっ……友達より恋愛を取りやがって!」

軽口を叩く事で寂しさを紛らす。
いつも悠里といっしょにいる事が多いから、こんな風に一人になると無性に寂しさを感じる。

こんな事なら律といれば良かったかなと思うが、律の気持ちを想うとその考えはすぐに消える。


手持ち無沙汰を感じながら携帯を操作する。
これといってネットニュースを見たいわけではなかったが、たまに見ると面白い記事が結構あったりして良い暇つぶしになる事もしばしば。

面白い記事はないかと探していると…ポケットにしまっていた携帯からラインの通知音が鳴る。
相手からは『了解。』と一言。それでも心強い。


携帯をポケットにしまい、ベンチから腰を上げる。
すっかり日が暮れていくつかの外灯が照らす静かな公園をあとにする。

しばらくすると自宅の前に着いた。
窓を見上げるとしっかりと明かりが点いてあり、留守ではない事が分かる。
両親はまだ仕事のはずだ。

今日は寝れねぇなと確信しながらドアノブに手をかけた。


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