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キセイジジツ
第5章 疑惑

小屋を出てから食事をする為に一番近くのファミレスに入る。

この辺りもだいぶ店は増えてきたがまだまだ少なく、車を走らせないと行けない距離だ。
それでも地元の人間なら美味しい店は知っている。
うどん屋か定食屋を思い浮かべていると悠里が「ファミレスがいいな」と言ったのだ。

ファミレス店内に入ると午前中だけあって客は少ない。
ドリンクバーから近い席に座りメニューを広げる。

「何にする?」
「えっとね…チーズハンバーグのご飯大盛りで」
「じゃ俺も同じのにしよ」

店員を呼んで注文を済ますと悠里はまたメニューに視線を落とした。

「うわぁ…新しいパフェが出てる!」
「パフェ?」
「うん。抹茶アイス白玉パフェだって!」
「あとで食べたら?」
「いいの?!」

目が輝いている。よほど嬉しいらしい。
悠里は見た目によらず、大食いだ。
「いいよ」と言ってやると俺の携帯が震えた。

「ごめん、ちょっと電話してくる」
「うん。いってらっしゃーい」

笑顔で手を振る悠里を見ながら通話ボタンを押して入口近くのソファーに座る。
画面には元の名前。

「もしもし」
「お前いつ帰ってくんの?」
「…まだ決めてないけど。何で?」
「いや、悠真と真人が今ウチにいるんだ」

眉がピクッと動いた。今、真人って言った?

「まじで、真人?」
「あぁ。悠里の居場所を聞いてきたからお前と出かけたって言った」
「それで何て?」
「渋々納得した感じだな」

俺は同い年の真人の顔を思い浮かべる。
真人は超シスコンで悠里を溺愛していて、悠里に男が近付くのを極端に嫌がる。
それが例え従兄弟の俺でも、昔から敵意剥き出しの目で睨まれるのだ。

「イオ●とか?って適当に言っといたから話合わせろよ。悠里にもそれとなく話しとけ」
「…分かった。兄貴サンキュー」
「あぁ。じゃな」

電話を切って席に戻るとちょうど料理が運ばれてきていた。
お箸を俺に渡すと手を合わせて「いただきます」と言い、ハンバーグに箸を刺す。
それを口へ運ぶと手を頬に添えて目を閉じた。

「やっぱチーズハンバーグが一番~」
「美味しい?」
「すっごく。たけちゃんも食べなよ!」

俺がハンバーグを口へ運ぶのを見て、自分も箸を進める。
確かに美味しいけど、悠里の幸せそうな顔を見てるだけで俺は満足だ。

「美味しいな」

笑って言うと悠里もニコッと笑った。
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