この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
キセイジジツ
第5章 疑惑

レジを済ませて店から出る。
空いてるソファーを見つけて腰を下ろし、悠里の手を引いて座らせる。

「たけちゃん…ありがとう」
「ん。俺からのプレゼントだと思ってくれればいいよ」
「うん…大事にするね」
「さっそく、どれかつけてみてよ」
「あっ…うん」

買ったばかりの袋を開け、どれにしようか迷ってる。
そしてハートのイヤリングだけを手に残して他のは袋に戻す。

「これにしようかな」とハートのイヤリングを耳につけていく。
不器用な悠里が頑張ってつけているのを目を緩めて見つめていた。

「どうかな…?」

形の良い耳につけられたそれを指で撫でる。
悠里の肩がビクッと揺れる。

「似合ってるよ。すごく、可愛い…」
「あっ…ありがとう…」

照れ笑いをして目を伏せた。

ふと悠里越しに後ろへ視線を移すと、鼻を伸ばした男、目を緩ませた男が悠里を見つめていた。
おい、何見てんだよ。俺の悠里だぞコラ。
と殺気を目に宿してそちらを睨むと簡単に退散していった。

「悠里。他に行きたいとこは?」
「んーもう満足しちゃった…」
「じゃー次は俺に付き合って」
「うん!…どこ行くの?」
「内緒」

わざとニヤリと笑って悠里を立たせる。
そして目的地まで何も喋らない。

しばらくして見えてきた落ち着いた雰囲気の店。
普段着を始め、肌着、下着、靴下、靴、帽子、タオルなど一通りの物はこの店で揃う。
十代の頃から通うお気に入りの店だ。

「着いたよ」
「あ、ここ?」
「いくつか買いたいのがあってさ」

手を引いて悠里といっしょに店内へ進む。
店内を見渡して顔見知りの店員がいない事を確認する。

「仕事でタオル使うんだけど、これとこれ、どっちがいいと思う?」
「うーん、右かな」
「じゃ靴下はこれとこれ、どっち?」
「それは左がいい」
「これで最後ね。…下着はどっちがいい?」
「それは…自分で決めてよ…」
「いいじゃん。もう悠里にしか見せないし」
「えっ…」
「悠里に決めて欲しいな」

そう言うと顔を赤くしながらも目を左右に動かして真剣に考えてくれる。

「…どっちも似合うよ」
「まじ?じゃ両方買ってくるわ!」

レジを済ませて悠里のとこに戻ると悠里から手を握ってきた。
それだけなのに俺の心は弾み、そして温かい。
この子からずっと離れたくないと思ってしまった。
無理な事だと分かっているのに。
/270ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ