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キセイジジツ
第1章 帰省

真悠子と真悠子の母はA達親子より先に学校へ到着した。よほど急いで来たのだろう。
少し遅れてA親子が到着する。Aの母は教室に入るとすぐ『先生、どういう事です?』と喰ってかかった。
その点真悠子の母は落ち着いていた。
『話しをまとめますと、Aさんの封筒が紛失し、それを取ったのがうちの娘かもしれない、という事でしょうか』担任とAの母へ確認し、次は娘へ話しかける。
『それで、真悠子はどうなの?』
真悠子は顔色ひとつ変えずに『私はそんな事、絶対にしない。するはずがない。お母さん、私を信じて』そう言う。
真悠子の母は『信じるわ』一言だけ返す。
でもAの母は納得出来ない様子で『じゃあ、封筒はどこにあるの?!』と大声で担任に詰め寄る。
そこで助け船を出したのは真悠子だ。
『私の推論だけど、Aちゃんの封筒は引き出しの中にあるはず』そう言いきったのだ。
その場の全員が眉をしかめた。
それを見て真悠子は続ける。
『私、掃除の時間は教室中を見ていたけどAちゃんの机の中からは何も落ちなかったから』
『教室中を見ていたって本当に?』真悠子の母が尋ねる。
『えぇ、本当よ。だから先生、引き出しをもう一度探してみて』急に話しを振られた担任は焦りながらも頷き、Aの机へ近付く。
椅子を後ろへ引いて引き出しを出すが封筒は見当たらない。
『先生、引き出し自体を机の上に置いて引き出しの中を覗いてみて』真悠子に言われる通りに滅多に覗く事のない引き出しの中を覗く。
すると一番奥にシワシワになった封筒があった。
それをそっと取り出して開いてみると、Aの給食費が入った封筒だった。
『どうしてそんなところに…』A親子の顔は青ざめている。
『きっと引き出しを引いたはずみで封筒だけが奥へ押されて隙間へ入ってしまったんだと思う。Aちゃん、見つかって良かったね!』真悠子は笑っていた。
『佐田さん…何とお詫びを申し上げればいいのか…』Aの親は何度も頭を下げている。
『いえ、頭を上げて下さい。見つかって良かったわ』真悠子の母も笑っている。
担任はホッと胸を撫で下ろすと同時に真悠子の観察力や頭の良さに震えたと言う。

その事件の事が噂であっという間に広がり、真悠子はこの町でちょっとした有名人となった。


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