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キセイジジツ
第5章 疑惑

築地と長田は急いで映画館へ向かっていた。
チケットは購入済みであとは受付をするだけだ。

「何か飲みもん買う?」

築地が息を弾ませながら聞いてくる。

「買う。俺がまとめて買っとくからお前はトイレ済ませてこいよ。何飲む?」
「サンキュ。じゃコーラで」
「了解。お前が戻ってきたら俺もトイレ行くわ」

築地はトイレ、長田は売店へ向かう。

売店には支払いを済ませようとしている女性が一人だけですぐに自分の番になる。
コーラを二つ注文して支払いを済ませてトイレの方に歩いて行くと、ちょうど築地が出てきた。
コーラを築地に渡して長田はトイレへ入る。
ささっとトイレを済ましてチケットを取り出し、受付の人に二枚渡す。

「7番スクリーンです」

7番スクリーンに入り自分達の座席を探す。
あと5分で開演だ。

「間に合ったな」
「うん、焦ったな~」

並んで腰を下ろしスクリーン入口に置いてあったフリーペーパーを見ながら築地はコーラを飲んでいる。

長田は気になっていた事を口にする。

「…さっきの子さ」
「ん?あ、ゆーりちゃん?」

築地がフリーペーパーから顔を上げる。

「一昨日に会った時にさ、違和感があってさ」
「違和感って?」

長田がアゴを触りながら考え込む。

「何て言うか…どこかで会った事があるような…懐かしい感じがしたんだよね」
「ふーん。でも会ったの初めてなんだろ?」
「そうなんだよ。名前にも覚えはないし」
「なら勘違いだろ。あんな可愛い子、一度会ったらそうそう忘れねーだろ」
「だよな。わりぃ、忘れて」

そう言って長田はコーラを飲む。

「それよりも、たけだよ」
「たけが何?」

長田は何の事か分からないという表情だ。

「ゆーりちゃんを見る目だよ!」
「は?」
「何か…男の目だった」
「えっ…デキてんのか?」
「知らね。でもお前に嫉妬してたぞ」
「何で俺に」
「一昨日の事が気になったんだろ」
「は?あの子とは別に何もねーのに?」
「男なんてそんなもんだろ」

築地がニヤリと笑う。

「お前…バカそうに見えて観察力ハンパねぇーな」
「ふっ。バカはよけーだ、バカは!」

照明が落とされた。もう始まる。

「ま、たけが話してくるまで待つか」
「そうだな」

長田もニヤリと笑ってスクリーンへと視線を移す。
すぐに意識は映画に集中していた。
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