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キセイジジツ
第5章 疑惑

「…どういう意味?」

冷静を装いながら落ち着いて尋ねる。

「そのままの意味だけど」

まどろっこしい言い方をする。

「だからっ……」
「悠里に告白されたでしょ?」
「っ……!」

悠真は男の顔をしている。

「何で…お前…」
「知ってるのかって?」

ふっ…と鼻で笑ってる。

「悠里に相談されてたから」
「えっ…」
「健兄ちゃんの事、好きって」

真っ直ぐに俺を見つめる。

「気持ちは通じ合ったの?」
「……あぁ」
「その様子じゃ…体も繋がったんだね」

俺は目を見開いて悠真を見る。

「俺ももう高1だし、何となく分かるよ」
「なっ…」
「真人兄は…悠里への想いが強すぎて逆に気付いてないみたいだけど」

俺の動揺に気付いてそう言う。

「俺も…悠里の事すごく大事だけど、真人兄とは違う。悠里に幸せになって欲しいんだ」

見た事のない柔らかい表情で笑う。

「健兄ちゃん。悠里の事、悲しませないでね」
「…そのつもりだ」
「そのつもりじゃ困るよ。〈絶対〉だよ」
「分かった。約束する」
「良かった。約束だよ!」

ふわりと微笑んだ。あたり前だが、悠里に似ている。
俺が見つめていると、普段の悠真の顔に戻った。

「ま、問題は真人兄だね」
「そうなんだよなぁ…」
「俺は健兄ちゃんの味方だから」
「助かるよ…」

俺は情けない声を出してしまった。

「真人は…いつまでこっちにいるって?」
「一週間はいるってさ」
「…長いな」
「悠里に触りたくても我慢だね」
「くっ……」

奥歯をギリッと噛みしめる。

「どうしても無理になったら連絡してよ」
「ん?」
「何とかしてあげるから」
「あぁ…その時は頼む」
「よし、リビング戻ろ。悠里をたまに助けなきゃ」
「そうだな」

顔を見合わせて部屋を出た。
リビングに入ると元の声が聞こえてきた。
なぜか悠里の隣に腰かけて真人を見据えている。

「真人、触りすぎ」
「いいだろ、別に」
「お前は良くても悠里は嫌かもしれないだろ」

ハッとした真人が悠里の目を覗き込む。

「悠里…触られるの嫌?」
「えっと…嫌って言うか…ほどほどにして欲しいかな?」
「うっ……!」

真人が肩を落とす。

「ほらな。次から悠里に許可を取れよ」
「元兄さん…俺に冷たくない?」
「何言ってんだ。愛のムチだ」

そう言って真人を黙らせる元を恐ろしいと思った。
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