この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
キセイジジツ
第5章 疑惑

祖母宅に帰り着くと、祖母はすでに寝間着姿だった。

「お帰り。私はもう寝るからね」
「うん、おやすみ。戸締まりは俺がしとくよ」

真人が祖母に微笑むと、祖母はうなずいて自分の寝室へ入って行った。

「悠里、先に風呂入りな」
「うん…」

悠里は一度部屋に荷物を置いてから、着替えを持って浴室に向かった。
悠里を見送ると真人は俺に視線を移す。

「悠里の次は俺。お前は最後な」
「…分かった」

真人は必ず悠里のあとに入浴する。
昔は別に気にしてなかったが、最近は何となく〈理由〉に気付いている。
おそらく、可愛い悠里が浸かったお湯に自分が一番に浸かりたいのだ。
悠里の匂いがわずかに残るお湯に浸かって、悠里を肌で感じたいのだろう。

最初に気付いてしまった時は真人の悠里に対する〈逝き過ぎた愛情〉に身震いしてしまった。
だけど真人が悠里を本当に大事に想ってるのも分かる。
間違っても悠里に手を出すような事はしないだろうと弟としての直感があるから、許せるのだ。

しばらくするとパジャマ姿の悠里が居間にやってきた。
真人はすぐに浴室へ向かう。

「ゆーまぁ」
「はいはい。髪?」
「うん」

悠里はたまに俺に髪を乾かして欲しいと頼んでくる。
長く伸ばした髪は確かに乾かすのが大変だ。
なめらかに指を通り、コシもしっかりある。

「ゆーりの髪ってきれいだよな」
「そう?」
「たぶん。りっちゃんも髪きれいだけど、ゆーりのがきれいな気がする」
「何それ。ふふっ…」

ブラシを使いながら丁寧にブローしてやる。
集中して黙っていると悠里が口を開く。

「ね、ゆーま」
「んー?」
「私、たけちゃんに告白した」
「そっか。それで?」
「たけちゃんに好きって言われた…」
「良かったな」
「うん…」

悠里が照れてるのが分かった。
また黙ってブローを続ける。
最後に前髪を整えてドライヤーのスイッチを切った。

「ほい、終わりっ」
「ありがと~」

悠里が自分の髪を触りながら笑う。

「さ、もう寝ろよ。起きてると真人兄がうるさいし」
「うん。おやすみ」
「ん。おやすみ」

悠里が居間から出て行くのを見送って携帯を触る。

いつの間にか入浴を済ませた真人が居間に入って来た。

「悠里は…部屋か?」
「うん」

「そうか」と言って真人も部屋に向かう。

俺は静かに浴室へ向かった。
/270ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ