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キセイジジツ
第5章 疑惑

祝日の大型商業施設はたくさんの人でにぎわっている。


正直なところ、人混みは苦手だ。
苦手なのに変わりはないが苦手なのとは関係なく、今までこういった施設は数えるほどしか利用した事がない。

幼い頃から両親はすでに共働きでいつも忙しくしていたし、世間が休日だからと言っても子供に気を遣って外出するタイプではなかった。
たまに外出を決めたとしても〈家族全員〉が揃う事はほとんどなく、いつしかそれが普通の事になっていた。

そして昔からまとまった休みが続くと兄弟揃って祖母宅に預けられてきた。
俺はいわゆるおじいちゃんっ子で祖父の事が大好きで常に祖父の近くにいた。
こちらには従兄弟もいて遊び相手には困らないし、季節によっての行事もこちらで経験する事が多かった。

こちらで過ごす事なく、もし都会だけで生活をしていたら俺は人として成長出来なかったかもしれない。
小さな世界しか知らずに〈狭い物差し〉で物事を図るような、くだらない人間になっていたのではないかと今でも恐ろしく思う。

姉の真悠子や兄の真人は身も心も〈特徴的〉に育ったが、本意ではなくとも周りから好意を持たれる人間だ。
そして悠里と俺は自分達が思うよりもずっと可愛がられ、寄り道をせずに真っ直ぐ育ったなと実感する。

だから俺はこちらの人達が好きで、従兄弟の中でも特に可愛がってくれた健兄ちゃんが人として好きだ。
それは悠里も同じだと思っていたらいつの間にか〈異性として好き〉という気持ちに変化していたのだ。

当然、悠里も健兄ちゃんも好きな俺は二人の幸せを願っているし出来る事はしてあげたいと思う。
そして今、二人の為に役に立てて満足している。

満足している、のに。
少しだけ…寂しく感じるのはなぜだろう。

さまざまな人がいて、それぞれのカタチがある。
俺は…空いていた椅子に深く腰かけて、足早に行き交う人々を見つめていた。


ーーーどーすっかなぁ……
一人で映画見た事ねぇけど…見に行くか?

ひとまず映画館まで行ってみようと重い腰を上げる。
予想通りそこはカップルや家族連れ、友人同士で訪れたであろう人達で混雑していた。

ーーーこれは…一人で来てるやつなんかいねぇよな…

少し離れた場所から掲示板を見つめ、今すぐ見れてなおかつ面白そうな映画を探してみると二つのタイトルに目が留まった。
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