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キセイジジツ
第5章 疑惑

「悠真くんさ、腹減ってない?」
「あ…そう言われてみれば確かに…」

自分のお腹に触れて、簡単に済ませてしまった朝食を思す。
白米に味噌汁に卵焼きに納豆と漬物。
女性の悠里にはちょうど良いのかもしれないが、男の自分にはだいぶ物足りなかった。

「フードコート行こうよ。まだ話したいし」
「そうですね」

並んで歩いてフードコートを目指す。

「何食べるー?俺はラーメンにするけど」
「美味しいんですか?」
「まぁまぁかな」
「まぁまぁなのか…」
「冗談だよ、美味しいよ」
「なんだー」

和やかに会話をしていると、あっという間にラーメン屋の前に到着した。

「俺はチャーシューがついたやつの大盛にする」
「じゃ、同じやつにします」

急いで財布を取り出すと、恭介さんが俺の財布に手を置いて優しく笑う。

「俺が出すから大丈夫。悠真くんは席を探してきて」
「いや、でもっ」
「子供が遠慮しないの。ほら、席探さないとラーメン食べれないよ!」

そう言われてしまうとそれ以上何も言えなくて、俺はうなずいてから席を探しに行った。


出来上がったラーメンを取りに行って席に戻ると、恭介さんは面倒そうに携帯を触っていた。
俺が戻って来た事に気付くと携帯をポケットにしまう。

「携帯、俺に気を遣わずに触ってくれて大丈夫ですよ」
「あぁ…ありがとうな。でも、気を遣ってるわけじゃないんだ」
「え?」
「いや、しつこく連絡してくるやつがいてさ。ちょっと参ってるんだ」
「しつこく……」
「俺が返信しなくてもさらにメールを送信してきたりな」
「女性ですよね?」
「うん。女。ここまでされるとストーカーみたいで怖いんだよね」

恭介さんが眉をピクッと震わせたのを俺は見逃さなかった。

「元々、お友達とかですか?」
「いや全く。二週間前に夏祭りの準備で本堂まで行った時に俺が携帯落としてさ、その女が拾ってくれて電話帳から適当に友達んとこに連絡くれて返してもらって、一度だけお礼に飯行ったんだ。それからこんな感じ」
「すごい…出会いですね」
「そう?俺は出会って間もない、どんな男かも分からないのに、好きだって言う神経が理解できなくてな」

恭介さんの眉が寄せられた。

「とりあえず食おう!」
「あ、はい!」

温かいラーメンを勢いよく口へ運んだ。
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