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この出会いは…
第3章 私の過去
「知花!それは違うよ!一ノ瀬さんは知花の過去を知っても離れていくような人ではなかったよ。」

今まで黙っていた美怜が、いきなり声をあげた。

「というより、そんな人ではないと思ったから、話したの。確かに…驚いてはいたけど、知花が心配するようなことは一切なかったよ。」

さっきまで泣いていたはずの美怜が少し興奮気味に話す。

「一ノ瀬さんは知花のこれからを一緒に支えてくれる人になるっ!私、そんな気がするわ!」

「美怜…はっ、早まって期待しないで。お願い…」

「分かってるわよ!でもね、一ノ瀬さんも悔しがってたの。知花は何も悪くないのに、悔しいって。」

えっ?
一ノ瀬さんがそんな事を言っていたの?
一緒に悔しがってくれた…の?

「どっ同情…でしょ…?」

「同情って、憐れんで見下すっていう意味で広く使われているけど、本来の意味は違うでしょ?」

本来の意味…?

「本来は、他人の苦悩を自分のことのように親身になって共に感じること。そういう意味でしょ?」

苦悩を、共に感じること…?

「相手の立場に立って、同じ気持ちを共感して、より相手の事を分かろうとするって事でしょ?」

「より、分かろうと…する…」

「一ノ瀬さんは知花の気持ちに寄り添おうとしてくれたんだよ。」

そう…なの、一ノ瀬さん?
面倒だとか、ひ…引いたり、してないの?

「知花もなんとなく感じてるんじゃない?一ノ瀬さんは"怖くない男の人"で頼ってみても大丈夫なのかなって。」
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