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この出会いは…
第4章 変わりつつある気持ち
メニューを持ったまま琴莉は固まっている。

「なに固まってんだよ。奢りだぞ?いいのか?」

滝本さんが笑いながらまた琴莉の髪の毛をぐしゃぐしゃにした。

「……今日は…止めときます…」

「なんだよ、じゃ、ビールな。みんなは?」

一ノ瀬さんたちもビールを追加して、美怜はグレープフルーツジュースを、私は同じウーロン茶を頼んだ。
滝本さんの出張話はそれ以降、話題に上る事がなく、楽しくてあっという間に終電の時間になってしまった。

「美怜、時間。そろそろ行かないと!」

「あ、ホントだ。」

私の言葉に美怜が反応して、腰を上げた。

「私たち、もうすぐ終電なので。ここで失礼してもよろしいですか?」

「あの、ご一緒させて頂いて、ありがとうございました!こっ、琴莉はどうする?」

私の家に来るんだったよね?
琴莉に聞きながら、私も身支度を整えようと動き出した。

「いいよ、慌てなくても。タクシーで一緒に帰ろ?」

「星さん…いや、でも三人でお話もしたいでしょう?」

「あはは、そんな気を遣わなくてもいいよ。三人でならいつでも話せるし。」

星さんの言葉に一ノ瀬さんも頷いている。

「いいんで、しょう…か?」

「琴莉ちゃん、飲み足りないでしょ?」

星さんが笑って琴莉を見ている。
さっきから滝本さんとずーっと二人で話している。

「じゃあ、また一緒にみんなでタクシーで帰ろうか?方向は同じなんだし。」

一ノ瀬さんが私と美怜に優しく微笑んで提案をした。
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