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この出会いは…
第5章 告白
「知花ちゃんさ、…緊張してる?」
突然話しかけられて、俯いていた顔を上げた。
「いや、うん…緊張、するよね。…ごめん、俺から切り出すべきじゃないんだけど。俺、待つから。話したくなったらでいいよ。今日じゃなくても。」
一ノ瀬さんは辛そうな、切なそうな、でも優しく微笑んだ、なんとも言えない顔をしていた。
その顔を見たら、もう感情が押さえきれなくて、涙になって一気に溢れてきてしまった。
「ごめっ、…なさっいぃ…」
なんとかそれだけ言って、あとは嗚咽しか出てこなくなってしまった。
テーブルの上で握りしめていた左手が暖かい何かで包まれた。
「大丈夫。」
そう言って、左手を更にぎゅっと包まれた。
手を、握られている…?
その状況に不思議と安心を覚えて、冷静さを取り戻してきた。
「手、痛くなるよ?」
私の握りこぶしを優しくほどいて、掌を上に向け、そのまま、また手を握られた。
完全に手を繋いだその状況にも嫌な感情は全く湧いてこなかった。
「みっ、美怜から…おそらく、全てを聞いた…と思うのですが…」
話し出した私の言葉に、繋いでいる手がピクッと反応した。
「美怜が…どのように伝えたのかは、聞いてはいませんが…全て、じっ、事実…なんです。」
繋がれた手に少し力が入ったような気がしたけど、一ノ瀬さんは黙って聞いている。
「私…あれ以来、誰かに話したことがなくて…今まで話せなかったのも、相手の方の反応というか…その後の関係が…こっ、怖くて…」
突然話しかけられて、俯いていた顔を上げた。
「いや、うん…緊張、するよね。…ごめん、俺から切り出すべきじゃないんだけど。俺、待つから。話したくなったらでいいよ。今日じゃなくても。」
一ノ瀬さんは辛そうな、切なそうな、でも優しく微笑んだ、なんとも言えない顔をしていた。
その顔を見たら、もう感情が押さえきれなくて、涙になって一気に溢れてきてしまった。
「ごめっ、…なさっいぃ…」
なんとかそれだけ言って、あとは嗚咽しか出てこなくなってしまった。
テーブルの上で握りしめていた左手が暖かい何かで包まれた。
「大丈夫。」
そう言って、左手を更にぎゅっと包まれた。
手を、握られている…?
その状況に不思議と安心を覚えて、冷静さを取り戻してきた。
「手、痛くなるよ?」
私の握りこぶしを優しくほどいて、掌を上に向け、そのまま、また手を握られた。
完全に手を繋いだその状況にも嫌な感情は全く湧いてこなかった。
「みっ、美怜から…おそらく、全てを聞いた…と思うのですが…」
話し出した私の言葉に、繋いでいる手がピクッと反応した。
「美怜が…どのように伝えたのかは、聞いてはいませんが…全て、じっ、事実…なんです。」
繋がれた手に少し力が入ったような気がしたけど、一ノ瀬さんは黙って聞いている。
「私…あれ以来、誰かに話したことがなくて…今まで話せなかったのも、相手の方の反応というか…その後の関係が…こっ、怖くて…」