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この出会いは…
第5章 告白
「そうやって、すぐに分かりやすく凹む知花ちゃんも見てて飽きないね。」

「なっ!一ノ瀬さん!」

「でも、良かった。ぶつからなくて。」

ほら、ずるい…。
またこれ以上、怒れない。
抗議の目のまま見つめていると、頭を触られた。
というより、髪の毛をぐちゃぐちゃにされている?

「危なっかしい具合が、俺の姪っ子そっくり。」

め…姪っ子さん?

「お兄さんかお姉さんの…?」

「うん、兄貴の。」

お兄さんがいたんだ。
知らなかった。
あれ、ちょっと待って。

「あの…ちなみに、その姪っ子さんは…」

「うん、4歳!」

「よっ…!一ノ瀬さん、ひどいです!」

ぐちゃぐちゃの髪の毛を手で直しながら訴えるが、笑って一蹴されてしまう。

「意外と負けず嫌いなところもそっくり。」

よしよしされて、また髪の毛が乱れた。
もう、もう、もう!
一ノ瀬さんは星さん以上に意地悪かもしれない!


「知花!」「一ノ瀬!」

ほぼ同時に名前を呼ばれ、声のした方を振り返った。

「お前ら、何やってんの?」

「こっ、とり…と、滝本、さん?」

「知花も今帰り?遅かったん…知花!その顔どうしたの!?」

え?あっ、泣き腫らした顔してる、よね?私。

「えっと…これは…」

「一ノ瀬さん!知花に何したんですか!?」

えぇーーー!?
なんで、そうなるの!

「ちょっ、琴莉!止めて、違うから!」

「あぁ、これはひどく泣かされたな。」

滝本さんにも顔を覗き込まれた。

「滝本さんまでっ…ご、誤解です!」
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