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第7章 恋敵とないものねだり

「年末に残業なしとか奇跡だな。」

「俺なんて一人寂しくドイツだぜ？」

「あはは、クリスマスなんて、社会人になったらふっつーに過ぎていくもんですよ。」

星さんと滝本さんの呟きに琴莉が笑って答える。

「……確かに…残業なしで帰るのは無理だよな。」

「あ、一ノ瀬さん！クリスマスは平日ですが、知花は貸し出しますので、返却は翌日でも構いませんよ？」

ブッ…！
思わずお茶を吹いた。

「コホッ…み、美怜！！」

「あー、そっか。今年は知花抜きか。一ノ瀬さん、私と美怜は二人で楽しく飲むんで、知花は翌日まで預かっといてください。」

「ちょっと、二人ともっ…！」

美怜と琴莉はニッコリ笑って変な事を言うし、星さんと滝本さんはそれを聞いて大笑いだし。
一ノ瀬さんは苦笑いだし。

「仕事が早く終わる保証は出来ないし、どうしようか？ごはん食べに行くのも遅くなっちゃうしね。」

「一ノ瀬んちで料理作って待っててやれば？」

出たっ！
星さんの悪乗り…

「星さん、頭いいー！」

「あっはっは、買い出しくらいなら付き合ってあげるわよ？」

「いいな、一ノ瀬。幸せなクリスマスだな。」

今日は悪乗りするメンバーが多すぎ！！
っていうか、美怜と琴莉はホントに許せないわ！

「まぁ、また改めて考えよう？こいつらには教えたくないわ…」

「は、はい…」