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この出会いは…
第7章 恋敵とないものねだり
今日も社食で見かけた。
一ノ瀬さんと同じ課の女の人。
広報部の先輩と一緒にいたから、話しかけられる事はなかったけれど。
社食で話しかけられた日から、あの女の人によく会う気がする。
その度に、心臓がぎゅっと苦しくなって、その後モヤモヤがしばらく続く。

滝本さんが『気を付けろ』って言っていたっけ。
でも、あの人は一ノ瀬さんが好きなんだもん。
どうやって気を付ければいいの?
2回とも運良く、滝本さんや星さんが居合わせてくれたから助かったけれど、自分だけで対応出来ていない。

「ちゃんと、話した方が…いいのかな。」

いつか一ノ瀬さんに迷惑がかかる前に…。
なんとかしなきゃ。
うぅ…なんて説明すればいいかな。
美怜に相談しようか…
いや、絶対、一ノ瀬さんに言うもんな。

まず、いつ会えるか分からない。
営業フロアに行けば良いんだろうけれど、一ノ瀬さんもいるよね…
滝本さんや琴莉にも見られるだろうし。
営業部は残業もあるから帰り時間も分からないし。
やっぱりお昼休みが妥当なのかな…

残業する気もおきず、急ぎの案件だけ処理をして、明日にまわせるものを片付けた。
今日は美怜は忙しそうだったから、休憩室でゆっくり待つ事にした。

18時前までは休憩室にも人が往き来していたけれど、今は私だけになってしまった。
しん…としていた廊下からカツカツと足音が聴こえてきた。

「美怜かな…」

足音が近づいてきて、休憩室の入り口でピタッと止まった。
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