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この出会いは…
第7章 恋敵とないものねだり
「お互いに貴重なお昼休みですし、手短にお願いできますか?」

席に着いて、飲み物を注文して、店員さんが去っていくと、"その人"が口を開いた。

「あ、はい。えっと、まず…私、広報部の相原知花と申します。あの…貴方のお名前も伺ってもいいですか?」

いきなり自己紹介をした私に驚いたのか、少し口を閉ざした後、一枚の名刺をテーブルに置いた。

「田邊です。一ノ瀬さんの三つ後輩です。」

た、なべ、さん。
『ありがとうございます』と言って、名刺をいただいた。

「突然、声をお掛けしてすみませんでした。今日はありがとうございます。」

「いえ。で、本題は何ですか?」

「あの…以前受けた質問ですが…私は…」

うぅ…胃が痛い。
心臓もバクバクいい過ぎて痛い。

「……一ノ瀬さんが…好き、で、す。」

なんとか絞り出した私の声に、田邊さんがため息をついた。

「それで…初めてお話した時に、付き合ってはないと言いましたが……その…、最近、お付き合いを…」

「えっ……?」

田邊さんがピクッと眉間にシワを寄せた。

「…おっ、お付き合いをしてるんですっ。」

「…嘘でしょ?貴方が一方的に言い寄ってるだけじゃなくて?」

ひ、ひどい言われようだな…
でも、ここで黙り込んでもダメだ。

「たっ、田邊さんも…一ノ瀬さんの事が、好き…なんでしょうか?」

「えっ?」

私の質問に、今度は田邊さんが黙り込む。
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