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この出会いは…
第7章 恋敵とないものねだり
祐side↓
忍び込んだボックス席で、俺は知花ちゃんの言葉に圧倒されていた。
初めは、田邊が知花ちゃんを連れ出したとばかり思っていたから、知花ちゃんの最初の一言で、すでに驚かされた。
しかし、あんなタジタジの田邊を見たのは初めてだ。
しかも、口で言い負かされているなんて。
知花ちゃんを見くびっていたわけではないけれど、大きく誤解していたんだなと気付かされた。
ホントは勇気があって、芯の強い女の子なんだ。
まぁ、それも天然がゆえになせる技か。
『譲る気なんて全くないですからっ!』
知花ちゃんの言葉を思い出して、自然と顔が緩む。
「ははは、敵わないな…」
そう呟いた時、後ろから声が聞こえてきた。
「はぁ…緊張した……」
振り返って後ろを覗くと、知花ちゃんがテーブルに突っ伏していた。
知らないふりして帰ろうかと思っていたが、緊張から解放されて力の抜けたその仕草に、心臓をぎゅっと掴まれた。
そして、気付けば、後ろから頭を撫でていた。
「えっ!?……あっ!えぇっ!?」
頭を撫でられて驚いた知花ちゃんが勢いよく起き上がって、うしろの席から身を乗り出したオレと目が合って、さらに驚いた。
「えっ!あの…いちの、せさっ…いっ、いつから…」
あ、テンパり始めた。
お手本のようなテンパり方に思わず笑ってしまう。
「そっち、行ってもいい?」
「えと、あ…、はっ、はい。」
忍び込んだボックス席で、俺は知花ちゃんの言葉に圧倒されていた。
初めは、田邊が知花ちゃんを連れ出したとばかり思っていたから、知花ちゃんの最初の一言で、すでに驚かされた。
しかし、あんなタジタジの田邊を見たのは初めてだ。
しかも、口で言い負かされているなんて。
知花ちゃんを見くびっていたわけではないけれど、大きく誤解していたんだなと気付かされた。
ホントは勇気があって、芯の強い女の子なんだ。
まぁ、それも天然がゆえになせる技か。
『譲る気なんて全くないですからっ!』
知花ちゃんの言葉を思い出して、自然と顔が緩む。
「ははは、敵わないな…」
そう呟いた時、後ろから声が聞こえてきた。
「はぁ…緊張した……」
振り返って後ろを覗くと、知花ちゃんがテーブルに突っ伏していた。
知らないふりして帰ろうかと思っていたが、緊張から解放されて力の抜けたその仕草に、心臓をぎゅっと掴まれた。
そして、気付けば、後ろから頭を撫でていた。
「えっ!?……あっ!えぇっ!?」
頭を撫でられて驚いた知花ちゃんが勢いよく起き上がって、うしろの席から身を乗り出したオレと目が合って、さらに驚いた。
「えっ!あの…いちの、せさっ…いっ、いつから…」
あ、テンパり始めた。
お手本のようなテンパり方に思わず笑ってしまう。
「そっち、行ってもいい?」
「えと、あ…、はっ、はい。」