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この出会いは…
第7章 恋敵とないものねだり
定時を過ぎて、時刻は18時を回ったところ。
静まりかえった休憩室のフロアの廊下を足早に通り過ぎて、休憩室を覗く。
軽く息を整えながら、中で待っている知花ちゃんに話しかける。
「知花ちゃん。ごめん、待たせた。」
「いえ、大丈夫です。あの、お疲れ様です。これ…よかったら。」
そう言って差し出されたのは缶コーヒー。
「これ、よく買ってますよね?」
受け取って見てみると、確かにこの自販機でよく買うものだった。
そんなところ…見てたんだ。
自然に顔が綻んで、ニヤついてしまう。
「うん、ありがとう。喉、乾いてたんだ。飲んでいい?」
知花ちゃんが頷くのを見て、フタを開け、『いただきます』と口に含んだ。
「そういえば、お昼食べてないよね?お腹空いたでしょ?」
「はい…」
俺の質問に、お腹に手を当てて頷く。
「前に行った定食屋は…あ、……いやかな?」
どうかな、と言いかけて思い出した。
知花ちゃんが過去の話を打ち明けてくれたのは、あの定食屋だ。
あれ以来行っていない。
知花ちゃんの顔色を伺おうとして、目が合った。
「…ふふっ、いいですよ?あの定食屋さん、ごはん美味しいので。」
ニコッと微笑まれて、安心した。
気に留めてはいなかった、かな?
「うん。じゃあ、そうしよう。あそこ、実は裏メニューが大盛りなんだ。」
知花ちゃんの手を取って、笑い合いながら歩き出す。
「…一ノ瀬さん。」
「うん?」
「あの…ありがとうございます。」
「……うん。」
やっぱり…
知花ちゃんには敵わないな。
繋いだ手を握り直して、定食屋に向かった。
祐side 終わり
静まりかえった休憩室のフロアの廊下を足早に通り過ぎて、休憩室を覗く。
軽く息を整えながら、中で待っている知花ちゃんに話しかける。
「知花ちゃん。ごめん、待たせた。」
「いえ、大丈夫です。あの、お疲れ様です。これ…よかったら。」
そう言って差し出されたのは缶コーヒー。
「これ、よく買ってますよね?」
受け取って見てみると、確かにこの自販機でよく買うものだった。
そんなところ…見てたんだ。
自然に顔が綻んで、ニヤついてしまう。
「うん、ありがとう。喉、乾いてたんだ。飲んでいい?」
知花ちゃんが頷くのを見て、フタを開け、『いただきます』と口に含んだ。
「そういえば、お昼食べてないよね?お腹空いたでしょ?」
「はい…」
俺の質問に、お腹に手を当てて頷く。
「前に行った定食屋は…あ、……いやかな?」
どうかな、と言いかけて思い出した。
知花ちゃんが過去の話を打ち明けてくれたのは、あの定食屋だ。
あれ以来行っていない。
知花ちゃんの顔色を伺おうとして、目が合った。
「…ふふっ、いいですよ?あの定食屋さん、ごはん美味しいので。」
ニコッと微笑まれて、安心した。
気に留めてはいなかった、かな?
「うん。じゃあ、そうしよう。あそこ、実は裏メニューが大盛りなんだ。」
知花ちゃんの手を取って、笑い合いながら歩き出す。
「…一ノ瀬さん。」
「うん?」
「あの…ありがとうございます。」
「……うん。」
やっぱり…
知花ちゃんには敵わないな。
繋いだ手を握り直して、定食屋に向かった。
祐side 終わり