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この出会いは…
第8章 彼の家
「んんっ、は、ぁっ……んっ、んーっ…」

知花ちゃんの口から漏れる声に、身体が熱くなる。
もう知花ちゃんを気遣う余裕がなくて、自分の感情のままに唇を奪っているというのが正解だ。

「はぁっ、はっ…ぁ…、いっちの、せさっ…」

途切れ途切れに呼ばれた名前に、ハッとした。
顔を離して、知花ちゃんの肩を持って、顔を見る。
しかし、知花ちゃんは俯いて、身体はくたりと力が抜けていて、息が荒い。
その姿が可愛くて、そのまま抱き締めた。

「ごめん。暴走した。」

「……いえ…」

そう返事をするのが精いっぱいなのか、俺の腕の中で呼吸を整えている。

「…大丈夫?」

腕の力を緩めて顔を見合わせると、やっと目が合った。

「はいっ。あの…息するの、忘れて…ました…」

っ…!
おいおいっ。
これは、俺、試されているのか?
顔が真っ赤で、涙目で、息が荒くて、このセリフ。
これで煽っているつもりは全くないんだもんな。

「もうっ、ホントにどうしようもないな…」

そう言って、また抱き締めた。

「えっと…あのっ、ごめんなさい…」

え?謝った?
抱き締めたまま、耳元で聞く。

「…なんで、謝るの?」

「えっ、飽きれた、かなって…」

はぁ、そんな事か…

「そんなわけないでしょ?…むしろ、好きすぎて俺がおかしい。」

俺の言葉に、知花ちゃんが身体を起こそうとするので、ぎゅっと抱き締め直した。
帰したくないな。

「今日さ…泊まってく?」

腕の中の知花ちゃんが固まったのが分かる。

祐side 終わり
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