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この出会いは…
第9章 彼の家族
「あと4日で今年も終わりだな。」

星さんの一言で話題は"年末年始について"に切り替わる。
私たちの会社は明日から年末年始のお休みに入る。
29日から3日までの6日間。
星さんは30日から元旦まで帰省予定で、一ノ瀬さんは元旦に日帰りで帰省するらしい。

「私は今年、帰らないんだ。逆にこっちに来るらしい。スカイツリーが見たいって言ってたわ…」

「あはは、美怜のお母さんらしい。でも、いいな。今年は私、一人ぼっちなんだ。」

「知花、帰らないの?」

「うん。二人で旅行に行くんだって。お兄ちゃんもたぶん仕事だし。帰っても一人だから。」

毎年、三が日のどこかで美怜と初詣に行っていたけど、今年は行けなさそうかな…

「じゃあ、知花も一緒に行く?私の親と東京観光。親の子守りしてくれるなら!」

いやぁ、それはちょっと…
美怜のお母さん、強烈だからな。
苦笑いの美怜に苦笑いで返す。

「琴莉も帰省するしなぁ。見たかった映画でもたくさん借りて観るよ。」

「あ…じゃあ、この前の続き貸そうか?」

一ノ瀬さんが思い付いたように話しかけてきた。
あ、クリスマスの時の…?
あぁ、確か三部作で、途中だったっけ。

「明日か明後日の都合のいいときに持って行くよ?」

「良いんですか?明日からせっかくお休みなのに。私が取りに行…」

「それなら、知花がまた一ノ瀬さんちに映画鑑賞しに行った方が早くない?」

みっ、美怜!
いきなり、また、何を言い出すのよ。
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