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第9章 彼の家族

「ただいま～」

お兄さんたちが玄関を開けて、到着を知らせる。
ついに着いてしまったっ！
ご実家も相当大きくて広い…
お兄さん達家族はさっさと玄関を上がって、中に入って行く。

「お帰りなさ～い。」

廊下の奥から可愛らしい声でそう言いながら、パタパタと女の人がこちらに歩いてきた。

「祐、来たのね？あらっ！あらあら、まぁまぁ、可愛らしいお嬢さんね！」

「あ、母さん。こちら、同じ会社の知花ちゃん。」

「あのっ、初めまして。相原知花と申します。年末年始のお忙しいところ、突然お邪魔してすみません。」

勢いよく頭を下げて挨拶をすると、クスクスと笑い声が降って来た。

「亘が強引で…ごめんなさいね？祐の母です。突然で、緊張しちゃうわよねぇ？でも、遠慮しないで？上がって？」

とても優しい笑い方をするポワンとした感じのお母さんで、正直ホッとした。
この笑い方は一ノ瀬さんそっくりだ。

「知花ちゃん、荷物持つよ。上がって？」

一ノ瀬さんがキャリーを持って、玄関に上がったので、私も『お邪魔します』と後に続いた。
通されたリビングにはお父さんと妹さんもいらっしゃって、また同じ様な挨拶を繰り返した。
実家に着く前に寄ったスーパーで、イチゴを２パック買い、スーパーの中に入っていた洋菓子屋さんでフィナンシェの詰め合わせを買って、手土産として渡した。

「ねぇ、知花ちゃんっていくつ？祐兄と同じ会社？職場で出会ったの？彼女がいたなんて知らなかったー！いつから付き合ってるの！？」

しっ、質問攻め…！
今度は妹さん！！
質問内容がお兄さんと一緒！！
DNA！！！